【診断付き】自分の思考パターンを知り「考える幅」を拡げよう

「仕事ができる人は具体的思考をする」「優秀な人は抽象的思考をする」――インターネットを検索すると、思考に関するこのような記事をみかけます。

具体的思考とは、「物事を詳細に、具体的に捉える」こと、抽象的思考とは、「物事を大枠で捉える」こと。具体的思考と抽象的思考の特徴やメリットは、具体的思考とは?抽象的思考とは?をご覧ください。

一方、思考に2つの種類があるものの、自分がどちらの傾向なのかを知らない人がほとんどでしょう。そのため、「具体的思考を身につけたい」「抽象的思考を身につけたい」と思っても、どのようにしたらいいかわからなくありませんか。

そこで、思考パターンの傾向を知り、どうしたらバランスよい思考ができるのかについてまとめました。

具体的か抽象的か―「思考パターン診断」

ここに、具体的思考が得意なタイプと、抽象的思考が得意なタイプの特徴を挙げました。まず、あなたがどちらの思考パターンの傾向が強いかを診断してみましょう。

人それぞれが持つ思考の特徴です。どちらがよい/悪いというものではありません。両方に当てはまる場合は、両方のパターンを持っていると考えられます。

具体的思考タイプ

  • 物事を細かく捉えるのが好き
  • 具体的なこと(ノート、ペン、パソコン、洋服、時計など物質的なことや、働く環境的なことなど)を考えるのが好き
  • 「どうすれば、それが実現できるか」(手段や方法論)を考えるのが好き
  • 物事を細かくして、追及することが好き
  • 夢よりも現実を好む
  • 一つひとつの細かな品質にこだわりがある
  • 「話が細かい」と言われる
  • 具体的なことを指示されれば行動できる

抽象的思考タイプ

  • 物事を大きく捉えるのが好き
  • 抽象的なこと(愛、宇宙、生命、存在、幸福、人生、世界、平和など)を考えるのが好き
  • 「何のためにそれがあるのか」「なぜ、それをするのか」(意味、目的、価値、背景など)を大切にする
  • 常々、「それをすると、どうなるか」(結果)を考えている
  • ビジョナリーな夢を描くのが好き
  • 「話が大雑把」と言われる
  • 「そもそも……」という問いをよく使う
  • 大雑把なことを言われても、自分なりに意味を解釈してやるべきことを考えるのが好き

紙に書き出して思考パターンの傾向を知る

さて、上の診断では、あなたはどちらの傾向が強いと思いましたか?

実際に考えて、思考パターンの傾向を知る方法もあります。

「考える」が楽しくなる!チャート式論理的思考トレーニングにあるトライアングルコミュニケーションモデルは、一枚のチャートで具体的思考と抽象的思考ができる思考フレームワークです。

この思考フレームワークは、三角形の下部に具体的思考を、上部に抽象的思考をするようになっています。この思考フレームワークを使って、あるテーマに対して頭の中にある考えを書き出すと、傾向が如実に現れます。

具体的な方法は、「考える」が楽しくなる!チャート式論理的思考トレーニングをご覧ください。

たとえば、ある女性は、三角形の上部(抽象的思考)はスラスラと考えを書き出せるものの、三角形の下部(具体的思考)は考えが思い浮かばず、なかなか書き出せませんでした。イメージとしては、次のようなチャートです。抽象的思考は得意な一方で、具体的思考が苦手なのです。

「普段、どんなことを考えるのが好きですか?」と聞いたら、「『そもそも……』という問いで、物事を考え始めるのが好き」とのことでした。「そもそも……」は、社会人に必須の能力「論理的思考」3つの種類にもあるように、抽象的思考で使う問いです。

また、あるエンジニアは、三角形の下部(具体的思考)はスラスラ書けるのに、三角形の上部(抽象的思考)の考えが思い浮かびませんでした。イメージとしては、次のようなチャートです。具体的思考は得意な一方で、抽象的思考が苦手なのです。

エンジニアは仕事柄、「コンピューターを使って、このシステムをどのように実現するか」のように、物事を具体的にする思考が習慣になっていると考えられます。

思考パターンを変えるためには?

思考パターンがわかったら、次は、思考を変えるためのトレーニングです。

物事を具体的にも、抽象的にもバランスよく考えられるようにするためには、自分の思考パターンの傾向を知り、両方のパターンを意識して使うことです。

「考える」が楽しくなる!チャート式論理的思考トレーニングにあるトライアングルコミュニケーションモデルは、「今、何を考えているのか」が可視化できます。具体的思考と抽象的思考を意識的に切り分け、思考が不足している部分を意識しながら考えることで、得意ではない思考パターンも、自然に強化されるでしょう。

まとめ

私たちは普段、物事をなんとなく考えていることが多いです。そのため、自分の思考パターンに気づくことはまずありません。

思考パターンは習慣です。得意な思考パターンを知り、普段使わない思考パターンを意識的に使えば、自然と、新しい思考パターンが開発されます。

今までなかった思考パターンを身につけたとき、今までなかった柔軟性と、新しいアイデアをもたらしてくれるのではないでしょうか。

投稿者プロフィール

竹内義晴
竹内義晴NPO法人しごとのみらい理事長
1971年生まれ。新潟県妙高市出身。自動車会社勤務、プログラマーを経て、現在はNPO法人しごとのみらいを運営しながら、東京のIT企業サイボウズ株式会社でも働く複業家。「複業」「多拠点労働」「テレワーク」を実践している。専門は「コミュニケーション」と「チームワーク」。ITと人の心理に詳しいという異色の経歴を持つ。しごとのみらいでは「もっと『楽しく!』しごとをしよう」をテーマに、職場の人間関係やストレスを改善し、企業の生産性と労働者の幸福感を高めるための企業研修や講演、個人相談を行っている。サイボウズではチームワークあふれる会社を創るためのメソッド開発を行うほか、企業広報やブランディングに携わっている。趣味は仕事とドライブ。

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