コミュニケーションスキルや相手への想いは育てることができるのか

チームでのコミュニケーション

こんにちは。しごとのみらいの竹内義晴です。

コミュニケーションにとって、最も大切なのは何でしょうか。相手に対する「想い」でしょうか。確かに、相手に対する「想い」は大切ですよね。

例えば、一緒に仕事をしているメンバーに対して、「みんなといい関係を築きたい」「職場のチームワークを良くしたい」のような想いは、とても大切です。

でも、「想い」だけではうまく行かないのも事実でしょう。例えば、メンバーに対する想いがどんなに強くても、発せられる言葉がいつもネガティブで威圧的なら、いい職場、いいチームにはなりません。

逆に、「想いはないけど、口はうまい」場合はどうでしょうか。一時は仲良くなれるかもしれませんが、その人の気持ちの中に、相手を思いやる気持ちや、「チームワークを良くしたい」と言う気持ちがなければ、おそらく、長続きはしないでしょう。「あの人は口ばかりだな」というのは、意外と気づくものです。

ということは、職場のコミュニケーションをよくするためには、メンバーに対する「想い」と、コミュニケーションスキルの両方が大切だと言えそうです。ここでいう「想い」とは「あり方」、コミュニケーションスキルのことを「やり方」(スキル)と呼びます。

ところで、相手に対する「想い」やコミュニケーションの「スキル」は育てることができるのでしょうか。

コミュニケーションスキルはトレーニングで身に着けられる

コミュニケーション能力は、一般的に先天的なもので、後から身に着けるのは難しいと思われがちです。

しかし、トレーニングをすれば後から身に着けることができます。なぜなら、コミュニケーション能力は「スキル」だからです。例えば、傾聴の「あいづちを打つ」「うなづく」と言ったスキルは、意識することによって身に着けることができますよね。

私自身「信頼関係の築き方」「観察の仕方」「傾聴の仕方」「質問の仕方」「共感」「リードの仕方」「伝え方」など、いろんなスキルを学びましたが、すべて、後から身に着けたスキルです。

コミュニケーションの「あり方」は実践の中で育つ

コミュニケーションスキル(やり方)は身に着けることができても、「想い」(あり方)はどうでしょうか。後から身に着けることはできるのでしょうか。

私の意見では、身に着けることができると思っています。

例えば、職場には、苦手な人が一人や二人はいると思います。でも、苦手な人のことを「好き」とはなかなか思えません。もちろん、「いい関係を築いたほうがいい」と頭の中では分かっています。でも、実際のところ、なかなかそうは思えません。

でも、日々の関わりの中で、変化してくることはあります。

私の、中間管理職時代がまさにそうでした。年上の部下に対して、「本当なら、あなたが管理職になってくれればいいのに……」という思いを抱いていた私は、部下に抱いていたのは不信感でした。

けれども、「働きやすい職場を作りたい」という気持ちの中で、「できれば、年上の〇〇さんともいい関係を築けたらいいな」と思い、話を聞いたり、関わりを持つようにしたりしていくうちに、今まで知らなかった部下の考えを知ることができ、「〇〇さんも、悪い人じゃないんだな。いろいろと考えているんだな」ということが分かり、そこから心の距離が縮まりはじめました。

その結果、管理職になりたてのころの「本当なら、あなたが管理職になってくれればいいのに……」という思いは次第に薄れて、「いっしょにやっていこう」という気持ちが芽生えてきました。それにつれて、年上の部下との関係も良くなりました。管理職としての「あり方」が変わってきたのだと思います。

このように、「あり方」は、無理に「こう思おう」と思うのは難しいですが、相手と関わり、さまざまな体験を通じて育っていくのです。

コミュニケーション能力は何から身に着けるか

コミュニケーションの「あり方」と「やり方」は、後から身に着けられることが分かったところで、何から学べばよいのでしょうか。

私の意見では、「やり方」からでよいのではないかと思っています。

もちろん、「あり方」もとても大切なことには間違いないし、「コミュニケーションでは、相手を思いやる気持ちが大切ですよ」と言葉で伝えることもできなくはありません。でも、本当の意味での、生きた「あり方」は、いろんな経験や失敗から学んでいくものではないでしょうか。

まずは、スキルを身に着ける。その結果、実践の中であり方が身に付いていく……そうしたステップでよいと考えます。

「あり方」と「やり方」の両輪で働きやすい職場を創ろう

最初から、相手を思う気持ちやチーム対する意識、コミュニケーションスキルがある人はそう多くありません。誰もが何かしら不足しているものです。だからこそ、職場では「コミュニケーションが不足している」「コミュニケーションが大切だ」と思うのだと思います。

けれども、コミュニケーションの「あり方」と「やり方」は、先天的な才能ではなく、少しずつ育てていくことができます。

「あり方」と「やり方」の両輪で、働きやすい職場を創っていきたいものですね。

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著者

竹内義晴
竹内義晴NPO法人しごとのみらい理事長
1971年生まれ。新潟県妙高市出身。自動車会社勤務、プログラマーを経て、現在はNPO法人しごとのみらいを運営しながら、東京のIT企業サイボウズ株式会社でも働く複業家。「複業」「多拠点労働」「テレワーク」を実践している。専門は「コミュニケーション」と「チームワーク」。ITと人の心理に詳しいという異色の経歴を持つ。しごとのみらいでは「もっと『楽しく!』しごとをしよう」をテーマに、職場の人間関係やストレスを改善し、企業の生産性と労働者の幸福感を高めるための企業研修や講演、個人相談を行っている。サイボウズではチームワークあふれる会社を創るためのメソッド開発を行うほか、企業広報やブランディングに携わっている。趣味は仕事とドライブ。

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