コミュニケーションの基本「観察力」の鍛え方

観察力とは、「相手のことをよく知る力」のことです。

観察力があると、コミュニケーションが豊かになります。なぜなら、表情や声の変化、ジェスチャーなどから、相手がどう思っているのかを知ることができるからです。

たとえば、自分が発した言葉に対して、相手の反応が今一つなら、「伝わっていないな」ということが分かります。言い方を変えることで、相手の理解をより深めることができます。

一方、一言で「観察」と言っても、何をどう観察すればいいのでしょうか。今一つ、よく分かりませんよね。

そこで、観察力とは何か、観察力を上げるためにはどうしたらよいのかをまとめました。

観察力とは

そもそも、観察力とはどのようなことを指すのでしょうか。

「観察」を辞書で調べたら、次のような記述がありました。

1 物事の状態や変化を客観的に注意深く見ること。「動物の生態を―する」「―力」
2 《「かんざつ」とも》仏語。智慧によって対象を正しく見極めること。

出典:観察 | goo辞書

つまり、観察力とは、物事の、ある「瞬間」の状態、もしくは、「以前」と「今」の変化を読み取る力と言うことができるでしょう。

観察力を鍛えると得られるメリット

観察力を鍛えると、次のようなメリットがあります。

1、相手の状況が分かる

観察力を鍛えると、相手が置かれている状況が分かります。なぜなら、人は、言葉以外にも、顔の表情や声のトーン、ジェスチャーなどで、私たちにさまざまなメッセージを送っているからです。

たとえば、言葉に発していなくても、楽しければ楽しい表情に、つまらなければつまらない表情に、体調が悪ければ顔色が悪くなっているでしょう。

2、相手が言葉にしていない「本心」が分かる

観察力を鍛えると、相手が言葉にしていない(できていない)本心が分かります。なぜなら、顔の表情や声のトーン、ジェスチャーは、言葉と違って無意識的に動かしていることが多いからです。

たとえば、顔色がそうです。体調が悪いときは顔色が青くなりますが、意識して顔色を変えることはできません。顔色ほどでなくても、顔の表情や声のトーン、ジェスチャーは無意識で動かしていることが多く、相手の本心が表れやすい特徴があります。

言い換えれば、言葉はウソをつけますが、表情はウソをつけないので、本心が分かりやすいわけですね。

3、次のコミュニケーション戦略を立てる手がかりになる

観察力はを鍛えると、自分がとった行動に対する、相手の変化が分かります。その結果、次に何をしたらいいのか、コミュニケーションの戦略を立てる手がかりになります。

たとえば、相手がネガティブな状況のときに、励ましの言葉をかけたとしましょう。その言葉で前向きになれば明るい表情に変わるでしょうし、言葉が響かなければ「はぁ」とため息をつくかもしれません。どちらかの反応によって、次の関わり方を変えていく必要があります。

このように、観察力は、次のコミュニケーション戦略を立てる手がかりとなるのです。

観察力を鍛えるポイント

コミュニケーションにおける観察力を鍛えるためには、今までより五感を働かせて、周りの人をよく「見る」「聞く」「感じる」ことで身に付けることができます。

観察力を鍛えるいくつかのポイントを挙げてみました。

  • 顔の表情、視線
  • 声のトーン、リズム、テンポ、大きさ
  • 姿勢、体の動き、しぐさ
  • 呼吸
  • 相手がよく使う言葉の言い回し、感情言葉

具体的には……

  • 顔の表情が暗い/明るい
  • 視線が落ち気味/上を向いている
  • 声が暗い/明るい
  • 声のトーンが暗い/テンションが高い
  • 背中を丸めて、うなだれている/背筋が伸びていて、胸を張っている
  • だらだらしている/集中している
  • 呼吸が深く遅い/呼吸が浅く早い
  • ネガティブな言葉が多い/ポジティブな言葉が多い

などです。

変化なら見つけやすい

とはいうものの、「表情を見ても、相手が何を考えているのかよく分からない」とお感じになっている方も少なくないようです。確かに、ある「瞬間」だけを見て、相手の状況を読み取るのは、よく分かりませんよね。

一方、ある一定期間の中で生じた「変化」なら、比較的簡単に見つけられます。

たとえば、「話し始めはすごく暗い表情だったけれど、話していたら笑顔になった」「声のトーンが明るくなった」のような変化なら、見つけやすいです。

「自分が感じていること」も貴重な情報

また、観察力を鍛えるためには、相手の状況だけではなく、「自分が感じていること」も貴重な情報です。

たとえば……

  • 相手は言葉では○○と言っているが、本音は違うような気がする
  • 表情は笑顔だが、なんとなく違和感がある
  • 何か裏があるような気がする

などです。

相手を観察していて、もし、何か違和感があれば、「それがいったい何なのか?」を考えてみると、観察力が鍛えられるでしょう。

まとめ

観察力は、コミュニケーションの基本です。観察力を鍛えれば、相手が言葉に発していないさまざまな情報が得られることに驚かれるでしょう。

「話す」必要は一切ありませんので、話すのが苦手な方にもオススメです。

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著者

竹内義晴
竹内義晴NPO法人しごとのみらい理事長
1971年生まれ。新潟県妙高市出身。自動車会社勤務、プログラマーを経て、現在はNPO法人しごとのみらいを運営しながら、東京のIT企業サイボウズ株式会社でも働く複業家。「複業」「多拠点労働」「テレワーク」を実践している。専門は「コミュニケーション」と「チームワーク」。ITと人の心理に詳しいという異色の経歴を持つ。しごとのみらいでは「もっと『楽しく!』しごとをしよう」をテーマに、職場の人間関係やストレスを改善し、企業の生産性と労働者の幸福感を高めるための企業研修や講演、個人相談を行っている。サイボウズではチームワークあふれる会社を創るためのメソッド開発を行うほか、企業広報やブランディングに携わっている。趣味は仕事とドライブ。

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