めんどくさいが消える?──とにかく手で触ること

しごとのみらいの蓮井恵一です。

2023年3月に「習慣化の秘訣──意志力に頼らない4つのコツ」というタイトルで、習慣化についての記事を書きました。

その中で、習慣化は「自分を制する」よりも「状況を制する」ことの方が重要であるとして、「行動を行うハードルをできるだけ低くする(小さな成功体験を積み重ねる)」「行動した後すぐに自分を褒める」「今あるルーティンに組み入れる」「やらない日があってもよしとする」の4つのコツを紹介しました。

先日、ユークロニア株式会社代表で作業療法士でもある菅原洋平氏の『「めんどくさい」が消える脳の使い方』を読み、私にとって新たな発見がありましたので紹介します。

「めんどくさい」は、脳が予測できなくて生じる

習慣化の「敵」と言える「めんどくさい」。その理由について菅原氏は、

“めんどくさいの正体は「わからない」で(P7)、今の状況や未来の姿がわからないということ(P32)”

「めんどくさい」が消える脳の使い方

だと述べられています。私は料理など家事全般が苦手というか、めんどくさいのですが、上手いやり方がわかっていないから「めんどくさい」と感じているのだと実感しました。このようにやり方がわからない、やっても上手くいくイメージが湧かないと「めんどくさい」「やっても無駄」と思ってしまいますよね。そして「見ないふり」など

“「めんどくさい」と感じた時にとる行動も、知らないうちに習慣化されている(P54)”

「めんどくさい」が消える脳の使い方

そうです。ううっ、手強い。

ではどうするか?

“人間の脳において、自ら意識して行動や思考したときに使えるエネルギーはたったの5%以下(P36)。残りの95%は無意識で行う活動に使われている(P37)”

「めんどくさい」が消える脳の使い方

そうで、

“無意識のエネルギーを有効活用するための戦略的セッティングこそが脳に通じる命令(P41)”

「めんどくさい」が消える脳の使い方

そして、

“脳と体をうまく使う戦略が立てられれば改善できる”

「めんどくさい」が消える脳の使い方

とあります。

とにかく手で触ること

また、脳に通じる命令として菅原は、

“脳には通じやすい命令と通じにくい命令があり、「めんどくさい」と感じるのは通じにくい命令をしているから(P6)”

「めんどくさい」が消える脳の使い方

で、

”わかりやすい情報を脳に届ければ、脳に通じる命令となる(P94)“

「めんどくさい」が消える脳の使い方

と述べています。そのわかりやすい情報が「触覚や固有感覚(筋肉の動きの感覚)」とのことです。

“触覚や固有感覚などのリアルな感覚が強いと、前頭葉の動きが抑制され、憶測や心配事が起こりにくい(P73)。触覚や固有感覚は記憶の改ざんが起こらない、脳にとってわかりやすい感覚データであるので、確実に脳内に残る(P221)”

「めんどくさい」が消える脳の使い方

なるほど!

目にしたら「めんどくさい」と口にする前に、まず、手を動かすことで、体で反応させて脳にわかりやすい情報にして、脳に通じる命令とするということか!これは知らなかった。

早速実践してみました。私の部屋の網戸、汚れているだろうなと思っていましたが、見て見ぬ振りをしていました。手元にあるウエットティッシュを使って少し触ってみるとやはり汚れが・・・。網戸に溜まった汚れの量を目と手で感じることで、脳にわかりやすい情報となり、「嫌だ、キレイにしなきゃ」という指令が脳に通じました。そして、雑巾などは部屋になかったので、ウエットティッシュ数枚を使って網戸全体を掃除しました。網戸がキレイになった気持ちよさとともに、「触ってみる」効果を少し実感できました。

あと、使う道具は手の届きやすい場所に置いておくことも有効だそうです。道具を探しにいく手間が「めんどくさい」につながりやすいことと、手の届きやすい所にあれば、道具を触ってみることで、それを使おうという行動につながりやすいとのことです。

いかがでしたでしょうか?

「とにかく手で触ること」は、「意志力に頼らない」に通ずるところもあり、試してみる価値はあると思います。

投稿者プロフィール

蓮井恵一
蓮井恵一
1967年生まれのバブル世代 兵庫県西宮市在住。「凹んでいる人を支援・勇気づけることで自分も幸福感を感じる」をモットーに、大阪本社の中堅機械メーカーである株式会社日阪製作所にて、働きがい支援室という部門を立ち上げ、社員のウェルビーイングに取り組んでいる。組織開発や相談窓口などの業務に従事し、ピアボーナスUniposの導入や経営理念再構築・浸透プロジェクトの企画・運営などの活動は一部メディアにも取り上げられている。

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