仕事を楽しくする秘訣──ポジティブフィードバックでお互いを高め合う

しごとのみらいの蓮井恵一です。

みなさんは上司や同僚または部下や後輩からのフィードバックって怖くないですか？また、フィードバックするのも「どう思われるかな？」と怖くないですか？

ポジティブなフィードバックはいいですが、ネガティブなフィードバックは、言う方も、言われる方も気を使うものです。

そこで、この記事では、フィードバックの受け手の心理を踏まえて、ネガティブなことをポジティブに伝えるポイントについてお話します。

人はネガティブな刺激に対して強く反応しやすい

フィードバックの受け手にとって、自分のとった行動に対する反応が周囲から何もないと、その行動が良いか悪いかがわからないので、反応は気になります。一方で「ダメ出しされるのではないか」など、フィードバックをもらうことに恐れを感じる人が圧倒的に多いと思います。

私は、最近でこそネガティブなフィードバックに対して、「気づきを与えてくれた」などのプラス面を見つけ出すようにマインドセットしていますが、それでもやっぱり怖いです。

人は進化の過程で危険から回避するよう遺伝子に刻まれているため、ポジティブな情報よりもネガティブな情報に注意を向けやすく、記憶にも残りやすい性質を持っています（ネガティビティバイアス）。そして、他人に対しても「できなかったこと」や「悪かったこと」に目が行きがちです。

理想はネガティブ１に対してポジティブ３～５

マーシャル・ロサダ博士のロサダの法則によれば、「ポジティブフィードバック３に対してネガティブフィードバック１」が理想と言われています。また、ポジティブ・コーチング・アライアンス（PCA）では、「誠実で具体的なプラス評価５回に対し、建設的なマイナス評価を１回する」のが、最も効果のあるフィードバック比率としています。

人はネガティブな刺激に対して強く反応しやすいことからも、この比率には納得がいく方が多いと思います。また、人は他人の良いところより悪いところが気になる性質から、意図的にポジティブフィードバックを行う必要があります。

そして、ネガティブフィードバックを行う際には、相手との関係性の悪化やモチベーション低下にならないような注意が必要です。私も相手に拒絶されたり、「無能扱いされた」と言われたり、苦い経験が多いです。ネガティブフィードバックは伝え方が本当に難しいです。

ネガティブなことをポジティブに伝えるポイント

そこで今回は、ネガティブなことをポジティブに伝えるポイントを紹介します。

①「なぜ？」でなく「何が？」を問いかける

物の不具合は「なぜ」を追求することが効果的ですが、人に対して「なぜ」を追求すると詰問になり否定されているように感じてしまいます。「なぜ」と問い詰めるより、「何がそうさせたか」と聞くと客観視でき、「ではどうするか」と未来に目を向けやすくなります。

②ネガティブメッセージはサンドイッチ方式でポジティブに包む（YES-BUT-YES）

まず、少しでも良かったことを褒める。そして、もっと良くなること（改善点）を端的に伝える。最後に「周りによい影響を与えていますよ」「できるあなたにだから言うのです」などポジティブメッセージで締めると効果的です。

③相手の欠点を逆説的に捉えて長所に変換する

多くの場合、長所と短所は表裏一体です。欠点を直すように促すより、「計画性がない」なら「臨機応変な対応」、「せっかち」なら「スピードや行動力」など、特性としていかすことを本人と一緒に考えることで、信頼関係も構築できます。

④相手の文脈に沿って伝える

相手の言い分や関心ごとを理解して、それに沿った提案や課題を提示する。相手の文脈に沿った形で伝えることで、肯定的な意味合いに変換できます。

いかがでしたでしょうか？人は感情の生き物とも言われます。ネガティブなことでも相手がポジティブに捉える伝え方をすることで、コミュニケーションが円滑になり、パフォーマンスにも好影響を及ぼします。そうなると仕事も楽しくなりますね。