負の感情に流されたままにする?──感謝で感情の記憶を書きかえる

しごとのみらいの蓮井恵一です。

みなさんは、両親や学校の先生、会社の上司や先輩から「感謝の気持ちを忘れずに」と言われたことがありませんか?

そんな時、「感謝の気持ちを持つのは良いことだ」とは思いながらも、「感謝しろ」と押しつけられたように感じたり、嫌いな人への感謝の気持ちなんて考えられないという方もいらっしゃると思います。

みなさんは、感謝の効能が、される側より「感謝する側」にあるということをご存知でしょうか?

「ありがとう」と言われると嬉しいですし、幸せな気持ちになります。「それ以上の効能が感謝する側にあるのか?」と疑問の思う方も多いと思います。実は、感謝の気持ちを持つことで、「幸せホルモン」と呼ばれているオキシトシン、セロトニン、ドーパミン、エンドルフィンが分泌されると言われています。つまり、感謝することで、安心やつながり、モチベーションが高まるということです。

特に効果があるのは、嫌なことが起こった時です。嫌なことが起こると、「悲しみ」や「悔しさ」など負の感情が湧いてきます。これはどうしようもないことです。大切なのはそこからの反応です。負の感情に流されて「嫌なだけ」の記憶とするか、何かしらの感謝できることを見つけて「嫌な出来事だったが良い面もあった」という記憶にするか、どちらにするかは自分で選ぶことができます。

たとえば、批判されると誰しも嫌な気持ちになりますが、批判的な意見の中にも新たな気づきみたいなものはあるはずです。また、「ご意見ありがとうございます」と感謝で応えることで、自分の中に湧いてくる恐れや怒りが和らぎます。

さらに、相手も批判した発言を感謝で返されることで、対立的な気持ちが和らぎます。苦しい時ほど感謝することは簡単でないですが、嫌な出来事や嫌いな人にも感謝ができれば、そのことにエネルギーを奪われることはなくなります。

嫌なことが起こった時、直接相手に感謝することは難しくても、夜寝る前に振り返ってみるのもいい方法です。負の感情を受け入れながらも、それに流されず、感謝できることを考え、嫌な出来事の中にも「気づきを与えてくれた」などのプラス面を見つけ出し感謝することで、感情の記憶が変わります。

古代ギリシアの哲学者、エピクテトスの言葉に「何が起こったかではなく、それにどう反応するかが大切だ」とありますが、感謝できるかどうかが幸せのバロメーターと言えるのではないでしょうか。

投稿者プロフィール

蓮井恵一
蓮井恵一
1967年生まれのバブル世代 兵庫県西宮市在住。「凹んでいる人を支援・勇気づけることで自分も幸福感を感じる」をモットーに、大阪本社の中堅機械メーカーである株式会社日阪製作所にて、働きがい支援室という部門を立ち上げ、社員のウェルビーイングに取り組んでいる。組織開発や相談窓口などの業務に従事し、ピアボーナスUniposの導入や経営理念再構築・浸透プロジェクトの企画・運営などの活動は一部メディアにも取り上げられている。

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