マネージャーが最初に身に着けたいコミュニケーション能力とは?

しごとのみらいの竹内義晴です。

ビジネスシーンでは「コミュニケーションが大切」と言われます。そこで、コミュニケーション研修を行っている企業も多いのではないでしょうか。

特にマネージャーは、チームをまとめる役割上、コミュニケーション能力が求められます。

コミュニケーションを「スキル」で表すと、「観察力」「信頼関係構築力」「傾聴力」「質問力」「リード力」「言いたいことを分かりやすく伝える能力」など、その範囲は広く、さまざまです。

これらの中で、マネージャーが最初に身に着けるとしたら、どの能力から身に付ければいいのでしょうか。

この記事では「マネージャーが最初に身に着けたいコミュニケーション能力」についてみていきます。

マネージャーが最初に身に着けたいコミュニケーション能力は「傾聴力」

マネージャーが最初に身に着けたいコミュニケーション能力について、私の意見では「観察力」「相手とペースを合わせて心の距離を縮める能力」「傾聴力」だと思っています。なぜなら、この3つができると、相手の話をうまく聞けるようになり、「〇〇さんは、私のことを分かってくれる」「〇〇さんは信頼できる」という信頼関係を築くことができるからです。

その中でも、さらに絞るとしたら、「傾聴力」ではないかと思っています。

と言いますのも、「観察力」や「相手とペースを合わせて心の距離を縮める能力」は、相手との直接的な関わりがなくても実践できますが、具体的な「変化」となると、やや感じにくいのが実情です。

一方、相手の話をよく聞く「傾聴力」は、相手と直接な関わりがあるため、メンバーとの関係の「変化」を感じやすいのです。

もちろん、メンバーと直接関わる中では、観察力やペースを合わせる能力も大切ではあるのですが、傾聴の一連の動作の中に、観察力やペースを合わせる能力も多分に含まれるため、まずは、傾聴力から身に着けるといいでしょう。

「傾聴力」が身に付くと起こる職場の変化

例えば、私が管理職時代に行っていたのは、「メンバー全員と毎月1回30分、1対1で話を聞く」ということでした。悩みや不安、プライベートのことまで、メンバー一人ひとりから話を聞くことで、メンバーの仕事の状況が理解できたほか、メンバー自身のことがよく分かりました。

また、定期的にコミュニケーションをする時間を持つことにより、お互いの信頼関係も生まれました。メンバーも自発的になり、それまでは、何かと指示しなければ行動しなかったメンバーが積極的に動いてくれるようになったため、リーダーとしての私の負荷もずいぶんと減りました。

このように、具体的に実践することにより、具体的な「メンバーの変化」「職場の変化」を感じることができました。

ちなみに、近年、部下の成長を支援するコミュニケーションの技法として「1on1ミーティング」という言葉をよく聞くようになりましたが、1対1で話をする……私が実践してきたのは、まさに1on1ミーティングでした。

マネージャーが「傾聴力」を身に着けるために

「傾聴力」というと、「話を聞くだけでしょ。そんなの、簡単だよ」と思われるかもしれません(実際、私自身がそうでした)。

けれども、人は相手の話を聞いているようで、意外と話を聞いていないものです。なぜなら、多くの場合、相手の話をきっかけに自分の思考が始まってしまい、意識が自分の内面に向いてしまうからです。

相手の話を聞くためには、相応のトレーニングが必要なのです。

傾聴力を高めるスキル自体は、「相手の話を繰り返す」という方法(これを、「オウム返し」とか、「バックトラッキング」などと言ったりします)で、それほど複雑なものではありません。基本的な内容は一日あれば十分理解できます。

実践しやすいことから始めて「働きやすい職場」を作ろう

メンバーとの信頼関係や働きやすい職場は、何かをやったからといって、すぐにできるものではないかもしれません。けれども、何かを変えていくことによって、変わっていくのもまた、事実です。

そのためには、マネージャーが実践しやすく、効果を感じやすいコミュニケーション能力を高めていくことから始めることが大切なのではないでしょうか。その方法として、傾聴や1on1ミーティングはおすすめです。

そして、実践を重ねる中で、職場は変わっていくのだと思います。

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著者

竹内義晴
竹内義晴NPO法人しごとのみらい理事長
1971年生まれ。新潟県妙高市出身。自動車会社勤務、プログラマーを経て、現在はNPO法人しごとのみらいを運営しながら、東京のIT企業サイボウズ株式会社でも働く複業家。「複業」「多拠点労働」「テレワーク」を実践している。専門は「コミュニケーション」と「チームワーク」。ITと人の心理に詳しいという異色の経歴を持つ。しごとのみらいでは「もっと『楽しく!』しごとをしよう」をテーマに、職場の人間関係やストレスを改善し、企業の生産性と労働者の幸福感を高めるための企業研修や講演、個人相談を行っている。サイボウズではチームワークあふれる会社を創るためのメソッド開発を行うほか、企業広報やブランディングに携わっている。趣味は仕事とドライブ。

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