仕事の成果にも影響―「良いチーム」を作ろう !

職場とは、一つの「チーム」です。スポーツの世界がそうであるように、チームはメンバーが力を一つに合わせることで成果を出していく組織体です。

そのためには、メンバー一人ひとりの意識を合わせて、一つにまとまっていく必要があります。そこで、良いチームを作る4つのポイントについて見ていきます。

良いチームを作る4つのポイント

1:お互いの信頼関係がある

良いチームを作るために最も大切なのは、お互いの信頼関係です。「〇〇さんがいるから信頼できる」「〇〇さんと一緒に仕事ができるから楽しい」……このような信頼関係が、チームの一体感を育みます。

例えば、筆者が以前属していた職場はプレッシャーやストレスが多い職場でした。コミュニケーションも叱責が多いため、上司に「信頼できる」「一緒に仕事ができるから楽しい」と感じることはありませんでした。休憩所以外では同僚との会話もありませんでした。

そこで、傾聴などのコミュニケーションの勉強をして、頻繁にメンバーの話を聞くようにしたところ、チームに信頼関係や一体感が生まれ、自発的に仕事をするメンバーを増やすことができました。

2:思いが共有できている

良いチームでは、「思い」を共有できています。

「思い」には、「ビジョン」や「ミッション」、「企業理念」などさまざまなものがありますが、ひと言で分かりやすくいえば、「私たちはこのために一緒にいるんだよね。一緒に仕事をしているんだよね」ということが共有できているということです。

例えば、私が以前属していた組織の企業理念は、「私たちはお客様の満足を第一義として、お客様を創造し、お客様を広げていくことにより、さらに豊かな社会の発展に貢献する」でした。また、別の組織では、「24時間365日、システムを止めてはいけない」と何度も言われました。

これらも「思い」の一つには変わりありません。けれども、難しい言葉は自分ごとのようには感じられず、「すべき」「ねばならない」のような強制的な言葉は前向きな動機付けにはなりませんでした。

チームで共有できる「思い」とは、いつでも振り返ることができ、「そうだよな」と納得でき、動機づけられるものだと思います。

例えば、筆者はメンバーに「お客さまの満足も大切だけど、まずは、自分たちが楽しくはたらけるようにしよう」と伝えました。すぐにチームが活発になったわけではありませんが、1年後にはお客さまから評価されるチームに育ちました。

3:安心できる場がある

チームが一つになるためには、「私は無条件で受け入れられている」「ここにいれば安心できる」「ここにいてもいいんだ」……のように、メンバーが「安心できる場」があることも大切です。

けれども、ビジネスシーンは「すべき」「ねばならない」が多いので、どちらかといえばギスギスしていたり、恐怖政治でメンバーを動かそうとしたりすることが多いと思います。それでは、安心できる場とは言えませんよね。

「〇〇をやったら楽しいよね」「面白そうだよね」……このようなアイデアは、安心できる、楽しい場から生まれるものです。

4:肯定的である

ビジネスシーンは、目標達成やゴールの実現のために「なんであなたはいつもミスするの?」「何度言ったら分かるの?」「もっと頑張らないとダメじゃないか!」のようなネガティブな言葉や叱咤激励の言葉が使われがちです。

しかし、ネガティブな言葉や叱咤激励は、メンバーの意識を問題に向けるため、意識はますますネガティブになり、モチベーションも上がりません。やる気は出すものではなく、出てくるものです。そのためにも、チームは肯定的でありたいし、肯定的な言葉を使いたいものですね。

ビジネスシーンで起こるトラブルへの対応は、トラブル発生時に関係者の意識をポジティブに導く解決志向アプローチや、リフレーミング―大切な人を励ます言葉の作り方も併せてご覧ください。

まとめ

より良いチームを作るためのポイントについて見てきました。

ビジネスシーンには楽しさもあれば、厳しさもあります。それだけに、プレッシャーをかけたり、厳しい言葉をかけたりすることもあるものです。けれども、そのような毎日では、チームに信頼関係が生まれませんし、一体感も生まれません。チームは委縮するため新しいアイデアも生まれず、成果も出にくいです。

信頼関係や安心できる場があること、思いが共有できていて、何でも言い合え、楽しく仕事ができること……このようなチームだからこそ、さまざまな課題を乗り越え、成果を出していくことができるのではないでしょうか。

仕事の成果を出すためにも、良いチームを作りましょう。そして、楽しく働きましょう。

投稿者プロフィール

竹内義晴
竹内義晴NPO法人しごとのみらい理事長
1971年生まれ。新潟県妙高市出身。自動車会社勤務、プログラマーを経て、現在はNPO法人しごとのみらいを運営しながら、東京のIT企業サイボウズ株式会社でも働く複業家。「複業」「多拠点労働」「テレワーク」を実践している。専門は「コミュニケーション」と「チームワーク」。ITと人の心理に詳しいという異色の経歴を持つ。しごとのみらいでは「もっと『楽しく!』しごとをしよう」をテーマに、職場の人間関係やストレスを改善し、企業の生産性と労働者の幸福感を高めるための企業研修や講演、個人相談を行っている。サイボウズではチームワークあふれる会社を創るためのメソッド開発を行うほか、企業広報やブランディングに携わっている。趣味は仕事とドライブ。

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