プロが教えるコーチングとカウンセリング3つの違いと2つの共通点

コーチングという言葉も、一昔前に比べれば一般的になってきましたね。

チームのメンバーの目標達成を支援したり、動機付けたりするコミュニケーションスキルとして、社内研修なども盛んに行われるようになりました。

管理職の方のように、コミュニケーション能力の必要性を痛感していらっしゃる方の中には、自発的に勉強している、もしくは、資格が取れるトレーニングプログラムに参加している方もいらっしゃるかもしれません。

コーチングのトレーニングでは、コミュニケーションスキルの基本である傾聴や、目的を持って話を聞くトレーニング、質問の仕方などを学びます。

一方、傾聴力や質問力は、コーチングに限らず、カウンセリングにも通じるスキルです。そのため、「コーチングとカウンセリングの違いは何だろう?」と思っている方もいらっしゃるでしょう。

そこで、コーチングとカウンセリングの違いと共通点について、実務経験を元にまとめました。

コーチングとカウンセリング3つの違い

コーチングとカウンセリングには、次のような違いがあります。

目的やテーマの違い

コーチングとカウンセリングでは、扱う目的やテーマが違います。

コーチングの語源は、お客さまを目的地に物理的に運ぶ「coach(馬車)」にあります。その比喩から、「クライアントをゴールに運ぶ」人のことをコーチといいます。その目的は「目標達成」で、扱うテーマは、どちらかと言えばポジティブです。

一方、カウンセリングの目的は「問題解決」で、扱うテーマは悩みや不安、問題の解消など、どちらかといえばネガティブです。

コーチングとカウンセリングの違い

コーチングとは何か―ポジティブな思考を生み出すシンプルな構造NLPとコーチング―2つの共通点と5つの違いもあわせてご覧ください。

流れの違い

コーチングのテーマは「目標達成」です。会話の流れは、「何を得たいのか(目標の明確化)」→「現状はどうか(現状把握)」→「目標と現状のギャップを埋めるためには何が必要か(ギャップの明確化)」→「何から始めるか(行動計画)」の流れです。コーチングでは、一回の会話をこの流れで行います。

カウンセリングのテーマは「問題解決」です。会話の流れは、「現状の問題(現状把握)」→「どうなったらいいか(理想の明確化)」→「理想と現状のギャップを埋めるためには何が必要か(ギャップの明確化)」→「何から始めるか(行動計画)」の流れです。

コミュニケーションフロー

カウンセリングはクライアントの状況によって、現状の問題を聞くだけで楽になることもあれば、長い時間をかけて上記の流れをたどる場合もあります。

重視するポイントの違い

コーチングで重視するのは、クライアントに「考えてもらうこと」です。抱えているテーマに対し、クライアント自身で考え、答えを見出し、気づきが得られるように、コーチは最適な質問を考え、問いかけます。

一方、カウンセリングで重視するのは、クライアントに「話してもらうこと」です。内に抱えていることを言葉にできるよう傾聴し、頭の中や気持ちが整理できるようにガイドします。

コーチングとカウンセリング2つの共通点

コーチングとカウンセリングには、次のような共通点があります。

コミュニケーションスキル

コーチングもカウンセリングも、基本的なコミュニケーションスキルは同じです。

  • 観察力
  • 信頼関係構築力
  • 傾聴力
  • 質問力
  • 意識を前向きにリードする力

などがあります。

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クライアントに関わる態度

コーチングもカウンセリングも、クライアントに関わる態度は同じです。そのいくつかを挙げてみました。

  • クライアントの課題はクライアントが解決すべきこと(相手の問題は相手のこと)
  • クライアントが主人公。コーチやカウンセラーは支援者
  • 「クライアントは自分の力で問題を解決する力を持っている」という信頼
  • 「すべては、よりよい未来を創るためにある」という姿勢
  • クライアントの幸せを祈る気持ち

まとめ

コーチングとカウンセリングの違いと共通点についてまとめてみました。一言でまとめれば、違いは「テーマ」、共通点は「スキル」と言えるでしょう。

筆者の意見では、時代の流れが早い現代は特に、コーチングとカウンセリングをあえて分ける必要はないのではないかと考えています。なぜなら、コーチングの場面でも、目標を達成するまでのプロセスでは、さまざまな悩みや不安、問題を抱えるからです。このような場合は、カウンセリング的な関わりも大切です。

また、カウンセリングも同様で、最初の関わりが問題解決でも、解決していくにつれ、クライアントは自然と「望ましい姿」を描くようになります。その際はコーチング的な関わりも大切です。

これからのコーチやカウンセラーは、「コーチング」「カウンセリング」と枠を設けるよりも、精神面や行動面も含めて、より広い支援ができるメンター(支援者、助言者、育成者、指導者)的な意識を持っておくことが大切なのかもしれません。

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著者

竹内義晴
竹内義晴NPO法人しごとのみらい理事長
1971年生まれ。新潟県妙高市出身。自動車会社勤務、プログラマーを経て、現在はNPO法人しごとのみらいを運営しながら、東京のIT企業サイボウズ株式会社でも働く複業家。「複業」「多拠点労働」「テレワーク」を実践している。専門は「コミュニケーション」と「チームワーク」。ITと人の心理に詳しいという異色の経歴を持つ。しごとのみらいでは「もっと『楽しく!』しごとをしよう」をテーマに、職場の人間関係やストレスを改善し、企業の生産性と労働者の幸福感を高めるための企業研修や講演、個人相談を行っている。サイボウズではチームワークあふれる会社を創るためのメソッド開発を行うほか、企業広報やブランディングに携わっている。趣味は仕事とドライブ。

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