非言語コミュニケーションの重要性と5つの種類
コミュニケーションというと、「言葉で伝える」というイメージがありますが、非言語によるコミュニケーションを意識されたことはありますか?
非言語コミュニケーションを意識的に活用すると、言葉以上にまわりの人と信頼関係を作ることに役立ち、伝えたいことが伝わりやすくなる効果があります。
そこで、非言語コミュニケーションについてまとめました。
非言語コミュニケーションの3つの重要性
非言語コミュニケーションは、大きく分けると3つの働きがあります。
言葉を補完する重要性
非言語コミュニケーションは、話し手としてまわりの人に意見を伝えるとき、言葉を補完する役割があります。
たとえば、2020年東京オリンピック招致のプレゼンで、滝川クリステルさんが「おもてなし」と言ったプレゼンテーションは多くの方がご存知だと思います。
文字だけの「おもてなし」と、映像のように、笑顔や明るい声のトーン、ジェスチャーが加わった「お・も・て・な・し」では、伝わり方に雲泥の差があるのは明らかですね。
信頼関係を作る重要性
非言語コミュニケーションは、「安心感」や「話しやすい雰囲気」を作り、相手と信頼関係を築きます。
笑顔やうなずきがあると、話しやすい雰囲気になりますね。また、たとえ何も話さなくても、やさしく微笑むだけで心が通じ、安心感が生まれるものです。
また、人は服装やしぐさなどが自分と合っていると親近感を抱きます(信頼関係(ラポール)を築く8つのポイント)。
相手の状況を理解する重要性
非言語コミュニケーションは、相手の状況を理解するのに役立ちます。なぜなら、表情や声のトーンは、無意識に変化していることが多いからです。
たとえば、体調が悪いときに顔色が悪くなりますが、顔色を意識的に変えることはできません。言葉では「大丈夫」だと言っていても、本当の状況は非言語情報には表れます。相手のことをよく観察することで、相手が言葉にしていないことも分かります(コミュニケーションの基本「観察力」の鍛え方)。
非言語コミュニケーションを理解する上でのポイント
では、非言語コミュニケーションには、どのような種類があるのでしょうか。そして、何を意識すればいいのでしょうか。
非言語コミュニケーションを理解する上で大切なポイントは、非言語コミュニケーションは五感を通じて行われていることです。つまり、目で見て、耳で聞いて、体で感じることによって、言葉以外の情報を交換できるわけですね。
非言語コミュニケーションの種類
非言語コミュニケーションは、五感の種類で考えると、何を、どのようにしていけばいいのかが自然と見えてきます。
視覚的要素
表情、顔色、口角、目の動き、まばたき、眉間のしわ、視線の方向など
聴覚的要素
声のトーン、高低、テンポ、リズム、音質(滑らか、ハスキーなど)、言葉(相手がよく使う言い回しやクセ、感情がこもっている/いないなど)
臭覚的要素
香り
味覚的要素
味
身体感覚的要素
体の動き(うなずき、貧乏ゆすりなど)、ジェスチャー(身振り手振り)、しぐさ(腕組み、足組み、鼻の頭をさわる、髪をなでるなど)、呼吸(ピッチ、深さなど)
非言語コミュニケーションの例
では、非言語コミュニケーションとはどのようにすればいいのでしょうか。各要素で上げてみましょう。
視覚的要素
視覚的要素で影響が大きいのは、笑顔やうなずき、視線です。
笑顔はそれだけで安心感があります。話を聞いてもらっているときにうなずいていたら「聞いてくれているな」と安心できます。
また、視線も重要です。いくら「うんうん」とうなずいていても、スマートフォンを見ながらでは「聞いていないな」という感じがします。視線を向けてくれると「聞いてくれているな」と感じます。
聴覚的要素
聴覚的要素で影響が大きいのは、声のトーンやリズムです。
少し落ち込み気味なときに、相手の声のトーンが明るく、元気な感じだと、「分かってないな……」と感じます。同じ雰囲気なら、「分かってくれているんだな」と安心できます。
また、ゆっくり話すタイプの人は、リズムが早いと忙しい感じがしますし、逆に、早く話すタイプの人は、ゆっくりすぎると調子が狂ってしまいます。同じリズムだと、会話もスムーズです。
先の「お・も・て・な・し」がそうであるように、思いを伝える際に、話に間を設けたり、声の強弱をつけたりすると、言いたいことを強調することができます。
臭覚的要素
収穫的要素で影響が大きいのは、いい香りです。
いい香りは、それだけでリラックスできますね。筆者はアロマセラピーの知識はありませんが、それぞれの香りにも意味があるそうです。
味覚的要素
味覚的要素で影響が大きいのは、味です。
料理の好みや味覚が合った人とは、会話もはずみますね。「おいしい」という時間を共有するだけで、心も体も満たされます。
身体感覚的要素
身体的要素で影響が大きいのは、ジェスチャーです。
大きいジェスチャーは楽しい感じになります。話をうなずいて聞いてくれると話しやすいです。
プレゼンテーションでは、ポイントを示すために指を使ったり、大きく手を開くことで一体感を作ったりできます。また、大切な話とそうでない話をする場所を変えて話すと、そこに移動することで聴衆は、「今から大切なことを話すな」と、自然と聞く耳を持つようになります。
まとめ
非言語コミュニケーションについてまとめました。
非言語コミュニケーションは、普段あまり意識していない分、少し意識するだけでコミュニケーションが円滑になります。また、信頼関係(ラポール)を築く8つのポイントでも触れたように、相手とペースを合わせる非言語コミュニケーションは、信頼関係を作る上で大切です。
今までより少し、五感を働かせて、非言語コミュニケーションをしてみましょう。
投稿者プロフィール
- 1971年生まれ。新潟県妙高市出身。自動車会社勤務、プログラマーを経て、現在はNPO法人しごとのみらいを運営しながら、東京のIT企業サイボウズ株式会社でも働く複業家。「複業」「多拠点労働」「テレワーク」を実践している。専門は「コミュニケーション」と「チームワーク」。ITと人の心理に詳しいという異色の経歴を持つ。しごとのみらいでは「もっと『楽しく!』しごとをしよう」をテーマに、職場の人間関係やストレスを改善し、企業の生産性と労働者の幸福感を高めるための企業研修や講演、個人相談を行っている。サイボウズではチームワークあふれる会社を創るためのメソッド開発を行うほか、企業広報やブランディングに携わっている。趣味は仕事とドライブ。
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