目的意識がない人に意識を持たせる2つの方法
もし、あなたが管理職なら、部下に、「目的意識を持って欲しい」と思ったことがありませんか?
言ったことややるべき仕事はきちんとやってくれる。けれども、それ以上のことは自発的に考えてくれない部下に、「もっと目的意識を持ってくれたら」……と思いますね。
そこで、目的意識がない人に意識を持たせる方法について考察します。
目的意識とは?
そもそも目的意識とは一体何なのでしょうか?
一言で表現すれば、「何のためにそれをするのか」が分かっていることですね。
つまり、目的意識を持っていないということは、「何のためにそれをするのか」が十分に分かっていない、または、意識がおよんでいない状態です。
目的意識がない人に言ってはいけない言葉
目的意識を持っていない人に、「もっと目的意識を持ちなさい」と、直接的に言わないことをおすすめします。
なぜなら、「目的意識を持ちなさい」ということは、暗に、「あなたには目的意識がない」ということを伝えることになるからです。かなり傷つきます。
目的意識がない人に意識を持ってもらう方法
目的意識がないということは、「何のためにそれをするのか」がよく分かっていない状態です。
そこで、目的意識がない人に意識を持ってもらうためには、「何のためにそれをするのか」を教えたり、気づいたりしてもらう必要があるでしょう。
大きく分けると2つの方法があります。
教える
一つ目の方法が、「教える」です。つまり、「何のためにそれをするのか」を都度伝えるのです。
たとえば、部下にプレゼン資料のコピーを依頼するシーンを想像してみましょう。
「この資料、30部コピーしておいてくれる?」のように依頼すると、部下はコピーすることしかできません。なぜなら、「何のためにコピーをするのか(理由)」が分からないからです。
そこで、「この資料、午後のプレゼンで顧客に配布するんだけど、30部コピーしておいてくれる?」のように、理由とセットで伝えると、「何のために」が分かります。「だったら、配布しやすいようにホチキスで止めておきましょうか?」のように、「こうしたらもっとよくなるんじゃないか」という自発性が芽生えやすくなるでしょう。
このように、「何のために」を積極的に伝えることで、目的に意識が向くようになります。
コピーなど、細かい仕事に限った話ではありません。「この仕事の意味」「プロジェクトの目的」「職場の存在意義」「会社としてどうありたいのか」など、それぞれには、それぞれの目的や意味、役割ががあります。これらを日頃から伝えていくことも大切です。
考えてもらう
二つ目の方法が、「考えてもらう」です。考えてもらうとは、「質問する」ことです。質問されると、人はその答えを探そうとします。「それが手に入ったらどうなるのか?」「それを手に入れる意味は何か?」など、「その上位にある目的」を考えてもらう質問をすれば、目的意識を高めることができます。
たとえば、あるプロジェクトに対する目的意識を持ってもらうためには、「このプロジェクトは何のためにあると思う?」「もし、このプロジェクトが成功したら、お客さまはどうなるだろう?」のように、目的を考えるように問いかけると、自然と、「何のためにそれをするのか」を考えるようになります。
目的を引き出すのに便利な質問のいくつかを紹介します。
- それが手に入ったら、どうなれる?/何が得られる?
- それはあなたにとって/私たちにとって/顧客にとって、どんな意味があるの?
目的や意味を明確にするには、「抽象的思考能力」で問題解決力を高めようも参考にしてください。
まとめ
目的意識についてと、それを持たせる方法について考察しました。いかがでしたか?
「何のために働くのか?」を普段あまり考えないように、普段の生活をする中で、「何のためにそれをするのか?」を考えることはあまり多くありません。そのため、思考の習慣としてないのも、仕方のないことなのかもしれません。
もし、部下や周りの同僚に「目的意識を持って欲しい」と持ったら、「何のためにそれをするのか」まで伝えましょう。そして、「ひとつ上の目的」を考えられる質問をしましょう。そうすれば、自然と目的を考えるようになり、目的意識も持つようになるでしょう。
投稿者プロフィール
- 1971年生まれ。新潟県妙高市出身。自動車会社勤務、プログラマーを経て、現在はNPO法人しごとのみらいを運営しながら、東京のIT企業サイボウズ株式会社でも働く複業家。「複業」「多拠点労働」「テレワーク」を実践している。専門は「コミュニケーション」と「チームワーク」。ITと人の心理に詳しいという異色の経歴を持つ。しごとのみらいでは「もっと『楽しく!』しごとをしよう」をテーマに、職場の人間関係やストレスを改善し、企業の生産性と労働者の幸福感を高めるための企業研修や講演、個人相談を行っている。サイボウズではチームワークあふれる会社を創るためのメソッド開発を行うほか、企業広報やブランディングに携わっている。趣味は仕事とドライブ。
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