職場でできるコミュニケーション練習と3つのポイント
学力や運動能力など、どんな能力でも言えることですが、何かしらの能力を身につけるためには練習が必要ですよね。
コミュニケーション能力も同様で、能力を身につけるためには練習が欠かせません。
特に、ビジネスシーンでは、上司や同僚、部下、顧客といい関係を築く上でとても大切。意識して、コミュニケーションの練習をしていきたいものです。
一方、「話す」「聞く」など、基本的なコミュニケーション能力は誰もが持っています。その分、「どんな練習から始めたらいいのだろう?」「意識する点は?」「注意点は?」とお思いの方もいらっしゃるでしょう。
そこで、ビジネスパーソンがコミュニケーションの練習をするときのポイントや注意点など、職場で実践してきたことを元にお話しします。
どんなコミュニケーションの練習から始めるべきか?
職場でコミュニケーションの練習を始めるなら、観察や傾聴の練習からはじめることをおすすめします。なぜなら、観察や傾聴なら、上手く話す必要がないので、誰もが抵抗感なく始めることができるからです。
また、観察や傾聴はコミュニケーションの基本です。これらができるようになると、相手の状況がよく分かるようになりますし、人は、自分のことを分かってくれる人に信頼感を抱くので、聞き上手は相手との信頼関係を築きやすくなります。
練習も簡単です。「よし、今日は○○さんを意識的に観察してみよう」「よし、今から○○さんの話を意識的に聞こう」と自分の中で決めて、やってみればいいのです。
観察力については、観察カテゴリの記事を、傾聴力については、傾聴カテゴリの記事を参考にしてください。
職場でコミュニケーションの練習をする際のポイント
職場でコミュニケーションの練習をする際は、次のポイントを意識するといいでしょう。
さりげなくはじめる
練習は誰にも伝えず、さりげなくはじめましょう。なぜなら、はりげなくはじめたほうが、周りの同僚にも、あなた自身にもストレスがかからず、楽にできるからです。
たとえば、同僚に「今、コミュニケーションの勉強をしているんだけど、ちょっと練習に付き合ってくれる?」のように伝えると、変に身構えてしまう恐れがあります。また、中には、「勉強して独立でもする気?」「自己啓発にはまってるんじゃないの?」など、いい印象を抱かない人もいます(筆者にはこれで失敗した経験があります)。
観察したり、傾聴したりするシーンは、職場のいたるところにあります。いつからでも、さりげなく始めることができます。
やりやすいところからはじめる
練習は、やりやすいところからはじめましょう。なぜなら、ハードルの高いことをやるよりも、「ちょっとがんばればできる」くらいのことのほうが抵抗感なく始めることができるからです。
たとえば、筆者は中間管理職時代、傾聴の練習からはじめました。「毎月一人30分以上、部下の話を意識的に聞く」と決めて話を聞きましたが、面談形式にしたことで、業務報告も兼ねられ比較的簡単に取り組むことができたほか、部下の様子も分かりとても有意義な時間となりました。
一つずつ練習する
練習は、一度にたくさんのことをやろうとせずに、一つずつ練習しましょう。なぜなら、人の意識は一つしか持つことができない(同時に複数のことは意識できない)からです。
たとえば、まだ慣れないときに、「相手の表情を意識しながら、傾聴のスキルを練習しよう」のように、同時に二つのことを意識しようとしても、まずできないでしょう。けれども、「表情を意識的に見る」だけなら、それほど苦労しなくてもできます。
車の運転も、慣れれば複雑な操作が同時にできるようになるように、コミュニケーション能力も慣れれば自然と、複数のことが同時にできるようになります。
まとめ
職場のおけるコミュニケーションの練習で大切なことは、継続することです。さりげなくはじめて、やりやすいことを、一つずる練習すれば、同僚にも、自分にもストレスになりません。
そして、一つずつできるようになった実感が出てきたころには、「○○さん(あなたの名前です)は私の話を聞いてくれてうれしい」という声が聞こえはじめ、職場のコミュニケーションも円滑になることでしょう。
投稿者プロフィール
- 1971年生まれ。新潟県妙高市出身。自動車会社勤務、プログラマーを経て、現在はNPO法人しごとのみらいを運営しながら、東京のIT企業サイボウズ株式会社でも働く複業家。「複業」「多拠点労働」「テレワーク」を実践している。専門は「コミュニケーション」と「チームワーク」。ITと人の心理に詳しいという異色の経歴を持つ。しごとのみらいでは「もっと『楽しく!』しごとをしよう」をテーマに、職場の人間関係やストレスを改善し、企業の生産性と労働者の幸福感を高めるための企業研修や講演、個人相談を行っている。サイボウズではチームワークあふれる会社を創るためのメソッド開発を行うほか、企業広報やブランディングに携わっている。趣味は仕事とドライブ。
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