気持ちよく仕事をするメールコミュニケーション7つのポイント

ビジネスシーンでインターネットが使われるようになり、メールやソーシャルメディアのメッセージ機能を使って、仕事のやりとりをする機会も増えました。メールを使えば、情報伝達が早くなり、情報共有が確実になるほか、仕事の効率がよくなります。

筆者も仕事のやりとりのほとんどがメールです。拠点が新潟で、お客さまと物理的な距離が離れていることも多く、メールがなければ仕事が成り立ちません。

一方、メールは誤解を招きやすいツールでもあります。一度こじれはじめると誤解を解くのはなかなか大変です。

メールで気分よく仕事をするためには、誤解を与えないように意識しておきたいポイントがあります。そこで、メールで気持ちよく仕事をするためにコミュニケーションのポイントについてまとめました。

なお、ビジネスメールの具体的な書き方については、信頼されるビジネスメールの書き方も参考にしてください。

メールが誤解を招きやすい6つの理由

まず、メールによるコミュニケーションは、「誤解を招きやすいツールである」ことを前提にしておきましょう。なぜなら、メールは対面コミュニケーションとは異なり、言葉(言語)のやりとりしかできないため、伝えられる情報量が圧倒的に少ないからです。

メールが誤解を招きやすい理由についてまとめました。

表情や声のトーン、ジェスチャーがない

メールによるコミュニケーションは、相手の表情や声のトーン、ジェスチャーなどの非言語情報がありません。そのため、言葉の意味をそのまま受け取るしかありません。たとえば、「バカ」という一言も、笑顔でユーモアたっぷりに伝えれば、伝わる意味は変わってくるでしょう(参考記事:1:9の割合?メラビアンの法則の真意と非言語コミュニケーション)。

「どう受け取るか」は相手にゆだねられる

情報が少ない分、言葉の意味を「どう受け取るか」は、相手に頼らざるを得ません。そのため、「本当はこういうことを伝えたかったのに、異なった意味に受け取られてしまった」ということが起こるのです(参考記事:非言語コミュニケーションの重要性と5つの種類)。

ネガティブな言葉は冷たく感じる

表情や声のトーン、ジェスチャーがない分、対面のコミュニケーションよりも感情面が伝わりにくいです。特に、ネガティブな言葉は、意味以上に冷たく感じます。

送信したら瞬間的に伝わってしまう

メールは、送信したら瞬間的に伝わります。そのため、「あの表現はちょっとキツかったかな」と後で思っても、一度送ったら後戻りができません。

メールを読むか否かは相手にゆだねられる

メールを読むか否かは、相手の意思にゆだねられます。急ぎのメールなど、必要なタイミングで相手に伝わらない場合があります。

送受信した内容が残る

対面のコミュニケーションと異なり、メールは内容が残ります。削除するか否かは相手にゆだねられるため、ネガティブなメールは特に、相手に長い間嫌な印象を抱かせてしまうばかりか、第三者に転送されてしまうリスクもあります。

気持ちよく仕事をするメールコミュニケーション7つのポイント

メールで気持ちよく仕事をするためには、次のポイントを意識するといいでしょう。

シンプルに、分かりやすく伝える

メール本文は、シンプルに、分かりやすく書くようにしましょう。「PREP法」を意識するといいでしょう。PREP法とは……

  • Point(結論):「○○については、□□です」
  • Reason(理由):「なぜなら、○○は、□□だからです」
  • Example(具体的な例):「たとえば、○○は、□□で……」
  • Point(まとめ):「そのため、○○については、□□なのです」

の順番で伝える方法です。詳しくは、簡単!わかりやすく伝える論理的な話し方2つも参考にしてください。

全体的に肯定表現にする

メールでは、できるだけ肯定的な言葉を使うように意識しましょう。なぜなら、多くの誤解は否定的な感情から生まれるからです。また、「○○すべき」「○○してくれないと困る」など、上から目線にも注意が必要です。

改善点を伝えるときは「サンドイッチフィードバック」を使う

メールで改善点を伝えるには、「サンドイッチフィードバック」が便利です。サンドイッチフィードバックとは……

  • 良い点をほめる:「○○さん、いつもありがとうございます」(感謝など)
  • 改善点を伝える:「○○については、□□にするともっとよくなると思います」
  • 良い点をほめる:「これからも期待しています」(今後の期待など)

のように、改善点を肯定的なメッセージではさみ、ネガティブな印象を和らげる方法です。

急ぎの用件には使わない。重要な用件は電話確認も入れる

メールは、急ぎの用件には使わないようにしましょう。重要な用件は必要に応じて電話確認も入れるようにしましょう。

誤解が生じたら対面コミュニケーションに変える

誤解が生じ始めたと感じたら、電話や対面など、他の方法に切り替えましょう。話してみたら、ちょっとした誤解だった……というのはよくあることです。

早く返信する

返信はできるだけ早く行いましょう。なぜなら、返信がないと送信者が不安な気持ちになるからです。もし、手が話せずに返信できない場合は、「現在、手が離せないため、明日、改めて返信いたします」のような手短なメールを送りましょう。送信者は安心できます。

ネガティブ情報は同報メールで配信しない

ネガティブな情報は同報メールやメーリングリストで送ると、静かな袋叩きのような状態になってしまいます。ポジティブな話題はみんなで共有し、ネガティブな話は個別に……のように、対応を決めておくといいでしょう。

まとめ

メールを使えば、情報伝達が早くなり、情報共有が確実になるほか、仕事の効率がよくなります。一方、メールに固執があまり、少し話せば解決するのに問題が長引いたり、言葉にするのに余計な時間がかかったりすることもあるものです。

便利なツールは積極的に使う。問題が生じ始めたら他の方法も検討する……相手に合わせて柔軟に使うと、便利なツールを気持ちよく使えるでしょう。

投稿者プロフィール

竹内義晴
竹内義晴NPO法人しごとのみらい理事長
1971年生まれ。新潟県妙高市出身。自動車会社勤務、プログラマーを経て、現在はNPO法人しごとのみらいを運営しながら、東京のIT企業サイボウズ株式会社でも働く複業家。「複業」「多拠点労働」「テレワーク」を実践している。専門は「コミュニケーション」と「チームワーク」。ITと人の心理に詳しいという異色の経歴を持つ。しごとのみらいでは「もっと『楽しく!』しごとをしよう」をテーマに、職場の人間関係やストレスを改善し、企業の生産性と労働者の幸福感を高めるための企業研修や講演、個人相談を行っている。サイボウズではチームワークあふれる会社を創るためのメソッド開発を行うほか、企業広報やブランディングに携わっている。趣味は仕事とドライブ。

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