相場はどのぐらい?社員研修の費用と予算の決め方とは

社員研修を行うためには、予算を組む必要がありますよね。

毎年、定期的に社員研修を開催している企業であれば、おおよその費用が分かります。一方、定期的に開催していない企業の場合、「どのぐらいの予算を見積もっておけばいいのだろう?」とお困りではありませんか?ひょっとしたら、研修費用の相場を知りたいとお思いかもしれません。

そこで、本記事では、一般的な社員研修の費用の相場についてお話します。また、相場を調べる方法や、費用を抑える方法、最終的にどのように予算を決めたらよいかについてご紹介します。

社員研修費用の相場は?

社員研修費用の相場は、正直なところピンキリです。個人事業主で講師業をしている方なら、1日6時間の研修で3万円から受ける方もいますし、著名な方になると2時間の講演で100万円請求する方もいます。

それでも、あえて研修費用の相場を挙げるなら、研修をビジネスで行っている企業の場合で、1日6時間の研修で30万円(旅費交通費別)ぐらいが相場といっていいでしょう。

その他、「○○を取り入れてほしい」のようなカスタマイズが入れば、もう少し加算されるのが一般的です。

また、産労総合研究所では教育研修費用の実態調査を行っています。2015年度(第39回)教育研修費用の実態調査によれば、教育研修費用総額と従業員1人当たりの教育研修費用は……

  • 教育研修費用総額の2014年度の予算額は5,458万円、実績額は4,533万円、2015年度の予算額は5,651万円で、前回調査と比較すると、いずれもほぼ横ばい。
  • 従業員1人当たりの2014年度実績額は36,877円で、前回調査と比較して2%増加。2015年度予算額は47,170円。

出典:2015年度(第39回)教育研修費用の実態調査 |産労総合研究所

となっています。

相場を自分で調べるためには?

相場を自分で調べたい場合、インターネットを検索して探すのは大変です。

講演講師をまとめて掲載しているサイトを使って調べれば、ざっくりとした相場がわかります。インターネットで「講演」のキーワードで検索してみてください。講演講師を紹介するサイトがいくつか検索できるはずです。

たとえば、講演依頼.comで、予算や形式を絞って調べてみたところ、個人講師の1日研修で20万円ぐらいでした。なお、このサイトでは紹介時に30%の手数料がかかるようです。その分、直接受けるよりも、やや高めになっているかもしれません。

社員研修費用を決めるためには?

大手企業なら、30万円でもそれほど驚かないかもしれませんが、中小企業の場合、30万円という相場に「高い」と思われるかもしれません。30万円といえば、一か月分の1人の給与ほどの金額です。そう思われるのも当然です。

金額だけをみると、どうしても値段で判断してしまいがちです。そこで、単に総額で高いか、安いかでみるよりも、1人当たりの費用や、他に掛かる金額と比較してみてはどうでしょうか。

例えば、30万円の研修の場合、社員10人で受ければ1人当たり3万円、15人で受ければ2万円です。産労総合研究所の調査結果「2015年度予算額は47,170円」と比較しても、相場的にはそれほど高額ではないことが分かります。

また、経費で社員旅行に出かける場合、1人当たり3万円程度のお金は掛かります。近年は社員旅行に行く会社も減っているので、「社員旅行の変わりと思えば安い」と考える経営者や研修担当者もいます。

助成金を使えば研修費用を節減できる可能性がある

全ての研修に当てはまるわけではりませんが、助成金を使えば研修費用を節減できる可能性があります。

例えば、厚生労働省では、キャリア形成促進助成金、キャリアアップ助成金など、キャリア形成に関する教育を助成しています。詳しくは、従業員の能力を高めたい(厚生労働省)を調べてみてください。

まとめ

社員教育は、社員の成長に対する投資です。一方、限られた予算の中でやりくりしなければならないのも事実です。

そこで、単に高いか、安いかだけではなく、「何のための社員研修か」「将来、社員にどうなってほしいか」のように、社員教育の目的を改めて考えてみるのも、社員研修の予算を決める上では大切です。

追伸

参考までに、しごとのみらいの社員研修は、2時間の講演で5万円から、1日6時間の研修で15万円からです。利益よりも、安心して働ける職場を作り、楽しく働く人を増やすことを大切にしたいと考えています。

投稿者プロフィール

竹内義晴
竹内義晴NPO法人しごとのみらい理事長
1971年生まれ。新潟県妙高市出身。自動車会社勤務、プログラマーを経て、現在はNPO法人しごとのみらいを運営しながら、東京のIT企業サイボウズ株式会社でも働く複業家。「複業」「多拠点労働」「テレワーク」を実践している。専門は「コミュニケーション」と「チームワーク」。ITと人の心理に詳しいという異色の経歴を持つ。しごとのみらいでは「もっと『楽しく!』しごとをしよう」をテーマに、職場の人間関係やストレスを改善し、企業の生産性と労働者の幸福感を高めるための企業研修や講演、個人相談を行っている。サイボウズではチームワークあふれる会社を創るためのメソッド開発を行うほか、企業広報やブランディングに携わっている。趣味は仕事とドライブ。

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