「そばを打って食べる会」を開催しました

しごとのみらいの竹内義晴です。

去る4/10、東京都内にて「そばを打って食べる会」というイベントを行いました。

そば打ちに使ったそば粉は、昨年、新潟のしごとのみらい農園にて「そばの種まき」「そばの収穫」のイベントで栽培したそばです。そばの収穫イベントでは、都市部のみなさまから妙高高原までお越しいただきました。

そこで、今回は「イベントにご参加いただいたお返し」と「交流」の、2つの意味を込めて開催しました。

イベントのお話の前に、しごとのみらいについて

しごとのみらいは、「もっと『楽しく!』しごとをしよう」をテーマに、2010年から活動しているNPO法人です。法人を設立した当初、ビジネスパーソンが抱えているストレスやメンタルヘルスに課題認識を持っていました。

というより、私自身、2004年から2006年ごろ、仕事で過度なストレスを抱え、心が折れそうになった経験があります。幸いにも、心理学やコミュニケーションを学び、職場環境を変えていくことによって乗り越えることができましたが、ふと、見渡せば、社会にはストレスを抱えた人がとてもたくさんいました。

ビジネスパーソンが抱えるストレスやメンタルヘルスの課題を何とかしたい……これが、しごとのみらいを設立したもともとの背景です。

その後、ビジネスパーソンのメンタルヘルスは社会問題となり、2015年からストレスチェックが行われるようになりました。いまは、働き方改革が声高に叫ばれ、労働時間の短縮等が各企業で行われています。

けれども、ストレスチェックを行えば問題は解決できるのか、労働時間を減らせばストレスは減るのか……ということに、私たちは課題認識を持っています。

Bad CycleからGood Cycleへ

確かに、ストレスを感じる原因の一つに労働時間もあるかもしれません。けれども、ストレスを感じる、そもそもの根本原因は「職場の人間関係」にあるはずです。

もし、人間関係がよく、安心して、楽しく働ける職場なら、そもそもストレスを感じないはず……私たちは、ビジネスパーソンが抱える問題を「そもそも」から解決したいと、これまで、企業研修や講演、個人相談、交流会、執筆などを行ってきました。

なぜ「そばの栽培」をはじめたのか?

その一環で始めたのが農業体験です。そばの栽培は2016年から始めました。

私は新潟県妙高市という中山間地に住んでいます。10年ぐらい前から、趣味で野菜を作ったり、米を作っている父親の手伝いをしたりしているのですが、「農作業には、ストレスを改善する効果があるな」と以前から感じていました。

例えば、畑で野菜の種を蒔いたり、田んぼで苗を植えたりする単純作業は無心になれますし、植物の生長に自分を投影して、「雑草の生命力はすごいな」「芽が出るためには、条件やタイミングがあるから先急いでもダメだな」のように、人生で大切なことを学んだりもします。

もし、このような作業をストレス改善に取り入れることが出来たら、ビジネスパーソンの役に立つのではないかと思いました。幸い、新潟には豊かな自然や地域のリソースがあります。また、「みんなでやる」農業体験は、チームの醸成にも役立ちます。

一方で、地方では、人口の減少や地域の衰退が待ったなしの課題です。

もし、社会の課題と地域の課題を組み合わせることができたら、両方の課題が解決できるのではないか。都市部と地方の人が交流し、関係人口が増えれば、持続可能な社会が築けるのではないか……。

社会と地域がかかえる 課題を解決したい

このような考えで、農業体験のプログラムを開発してみようと思ったのです。

「そばの栽培」の遍歴

農作物を育てるにあたり、そばはそれほど手が掛からないことから、まずは、そばの栽培から始めてみることにしました。

2016年

耕作放棄地になっていた田んぼを地域の方から借りて、草を刈るところからはじめました。この年は、種まき、収穫共にしごとのみらいのメンバーが手伝ってくれました。

耕作放棄地のしごとのみらい農園

耕運したしごとのみらい農園

2016そばの種まき

2016そばの収穫

2017年

2017年5月から、サイボウズで複業を始めました。そんなご縁もあって、関東方面からお越しいただいたみなさんとそばの種を蒔きました。

秋の収穫は、サイボウズの社内イベントとして収穫体験を行いました。

コネクトキャンプ

2018年

2018年の種まきは、機械を使って植えました。

秋の収穫は、サイボウズ第2編集部や有志のみなさんと収穫を行いました。区長さんはじめ、地域の方々にお集まりいただいたのも、盛り上がってよかったなと思っています。

サイボウズで複業をはじめて

前出のように、農業体験を始めたのは、「ビジネスパーソンを新潟にお招きして、ストレスを改善していただくとともに、交流人口が増えるといいな」くらいに思っていたのですが、2017年5月より、サイボウズ株式会社で複業をはじめ、新潟と東京を行き来するようになりました

私は、地方を拠点に都市部の会社で働いています。このような働き方ができると、公民館活動や、神社でのお祭り、田んぼの用水の管理をはじめとした区の行事、消防団活動など、地域や文化を守りながら、都市部との関係を持つことができます。

また、働き始めてすぐに気が付いたのですが、もし、都市部のビジネスパーソンが、地方の企業に複業という形で関わり、定期的に訪れていただくと(つまり、私の逆のパターンですね)、地方企業の人材不足を補えますし、仕事をきっかけに、地域に関わっていただくことで、ゆるやかに地域に入ることができます。

各行政機関では移住を促進していますが、都市部の生活や仕事を投げうって移住するのはとてもハードルが高いですし、ただでさえ少ない移住者を全国で奪い合うことになります。しかし、都市部を拠点に、地方の企業で働く「地方×複業」の形なら、いきなり移住しなくてもいいので、ビジネスパーソンにとっても負担が少ない、地域に入りやすいのではないかと思っています。

このような考えに基づいて、これまで、新潟や都市部で、いくつかのイベントを企画したり、登壇させていただいたりしてきました。

そば打ちを通じた交流

今回の、「そばを打って食べる会」は、そばの収穫イベントにおいでいただいたみなさんをねぎらいつつ、「地方×複業」に興味があるみなさんをはじめ、交流に場にもなったらうれしいと思いました。そこで、これまでご縁のあった……

を招いてのイベントとなりました。会場は、サイボウズの東京オフィスです。いろんな太さ、長さのそばになりましたが、楽しんでいただけたようです。新潟の日本酒とワインも持参しました。

と同時に、多様な参加者同士、それぞれの立場で将来やりたいことなどについても共有できたのではないかと思っています。

2018そば打ち 龍太さん

2018そば打ち こね

2018そば打ち そば

近い将来、実現したいこと

しごとのみらいでは、近い将来「ネイチャービジネスセンター」という施設を作りたいと思っています。「働きながら、癒される」がテーマの、自然の中にあるビジネスセンターです。

ネイチャービジネスセンター

ネイチャービジネスセンターは、個人にとっては、自然の中で働いたり、地方で複業したりするための拠点となるビジネスパーソンの交流拠点です。宿泊施設もあるため、長期滞在も可能です。

また、企業にとっては、サテライトオフィスの機能を有している他、コミュニケーションやチームワークなど、実務に役立つスキルを学べる研修施設でもあります。農業や自然体験を通じて、チームワークを醸成できるプログラムをご用意しています。

さらに、何らかの理由でストレスを抱えたビジネスパーソンが、働きながら癒されていくリワークの拠点でもあります。ストレスを抱えたとき、薬を飲んで部屋で寝ていては、益々モヤモヤしてしまいますが、ネイチャービジネスセンター内の農園で体を動かしながら働いたり、バックヤードの仕事をしたり、同じ体験をした仲間とワークショップを行ったりしながら、自分自身を取り戻し、再び、現場で活躍することを支援します。

おわりに

今回の「そばを打って食べる会」は、その入り口の入り口です。ここで触れたことのほとんどは、まだ、形にすらなっていません。というより、今までも、イベントを企画したものの人が集まらなかったり、初回はよかったものの、継続できなかったりしたことが数知れません。

それでも、こうして、いろんな立場の方に集っていただくことができ、一緒にそばを打って、新潟のお酒をいただくことができました。感謝しかありません。ありがとうございます。

ひょっとしたら、これからも、うまく行かないことの方が多いかもしれません。いや、多いでしょう。けれども、2016年当時、何もなかったところに、今、こうして人が集い始めているように、想いを持って継続していれば、きっといつか、ネイチャービジネスセンターも実現するのではないかと思っています。

そして、こうしてお集まりいただいたみなさまと、どんな形でご一緒するのかは分かりませんが、それぞれの得意分野や個性を生かす形で、Win-Winの関係で、事業化できればいいなと思っています。

ちなみに、2019年は、次のような予定をしています。

  • そばの種まき:8/3(土)~4(日)
  • そばの収穫:10/26(土)~27(日)
  • それ以外にも、いろいろと・・・

もし、このような活動にご興味がおありでしたら、予定を立てていただけるとうれしいです。そして、一緒に楽しみましょう。

……というわけで、「そばを打って食べる会」のレポートでした。引き続き、よろしくお願いいたします。

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著者

竹内義晴
竹内義晴NPO法人しごとのみらい理事長
1971年生まれ。新潟県妙高市出身。自動車会社勤務、プログラマーを経て、現在はNPO法人しごとのみらいを運営しながら、東京のIT企業サイボウズ株式会社でも働く複業家。「複業」「多拠点労働」「テレワーク」を実践している。専門は「コミュニケーション」と「チームワーク」。ITと人の心理に詳しいという異色の経歴を持つ。しごとのみらいでは「もっと『楽しく!』しごとをしよう」をテーマに、職場の人間関係やストレスを改善し、企業の生産性と労働者の幸福感を高めるための企業研修や講演、個人相談を行っている。サイボウズではチームワークあふれる会社を創るためのメソッド開発を行うほか、企業広報やブランディングに携わっている。趣味は仕事とドライブ。

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