「仕事が楽しい」に変わる6つのステップ

仕事を楽しくするたった1つのポイント

ここまでお読みになって、「あっ、これ、私のことだ」と感じた人ほど、なんとなくイヤーな気分になっているかもしれません。けれども、安心してください。イヤーな気分になるのは、「本当は自分だって、楽しく仕事がしたい!」と思っている証拠です。目の前の現実は楽しくない。けれども、本当は楽しく仕事がしたいとどこかで思っている。そのギャップが、「イヤーな感じ」を抱かせているのです。

そこで、ここからは仕事を楽しくする方法についてお話ししていきましょう。

仕事を楽しくするポイントをたった1つだけ挙げるとすれば、「影の中にある光をどれだけ見つけていくか?」ということなのかなと思っています。

だからといって、よく言われているような、「プラス思考をしよう」という意味ではありません。プラス思考は言うほど簡単ではありません。なぜなら、マイナス面をなかったことにしようとすればするほど、無理にポジティブに考えようとすればするほど、ますますマイナス面に目が向いてしまうからです。

次に示すマークは、陰と陽を示すシンボルなのだそうです。あなたも一度ぐらいは目にしたことがあるのではないでしょうか。

筆者自身、このマークに特別詳しいわけではありませんが、これには、「すべての事柄は陰と陽に分けられる。けれども、それらは一体である」「陰があれば陽があり、陽があれば陰があるように、お互いが存在することで、それが成り立つ」という意味があるのだそうです。

また、白の中にある黒の点、黒の中にある白の点は、「陽の中にも陰があり、陰の中にも陽がある」という意味を表しているのだそうです。

人は、うまくいかない状況に身を置いていると、「全くうまくいかない」のように、すべてがそうであるかのように一般化してしまう傾向があります。また、「楽しいか/楽しくないか」のように白黒をハッキリさせないと気が済まないものです。

仕事を楽しくするためには、「楽しくない(ようjに見える)ことの中にある楽しさ」に目を向けていくことが、ポイントになりそうです。

仕事に感じる8つの楽しさ

ところで、仕事にはどんな楽しさがあるのでしょうか。ひと言で「楽しさ」といっても、「喜び」「うれしさ」「成長感」など、いろんな種類があります。

そこで、仕事で得られる楽しさをまとめてみました。

成長感

仕事には、成長を感じる喜びがあります。

例えば、「今までできなかったことができるようになった」「新しい知識が身に付いた」「今までより上手くできるようになった」「今までより売り上げが上がった」などです。過去と現在に何かしらの変化が感じられたときに、成長感を味わうことができます。

新しい発見・気づき

新しいことを発見したり、気付いたりしたときも楽しいですね。

例えば、新商品を企画していていいアイデアが出なかったときや、仕事上でトラブルが発生して、どうしたら解決できるか頭でカリカリ考えているときに、ちょっとしたきっかけで、「あっ!こうすればいいんだ!」と気付いたり、新しい方法を発見したりしたとき、これまでのモヤモヤ感が一転。とてもうれしい気持ちになります。

筆者は以前、コンピューターのプログラマーでした。プログラムにトラブルが発生し、問題を解決しなければならないのですが、いい解決策が見つからないときは本当に頭を悩ませます。そのようなとき、画期的なアイデアを思いついたりすると、「オレは天才かも!」なんて、自身を褒めたくなることがよくありました。

第三者からの評価

取り組んできた仕事が第三者から評価されたときも、うれしい瞬間です。

例えば、レストランで働いているなら、お客さんから「とってもおいしかった。ごちそうさま」と言われたらうれしいでしょうし、介護の仕事なら、利用者さんから「あなたが世話してくれるおかげ。ありがとう」と言われたら、きっと満たされた気持ちになると思います。また、大変なプロジェクトを成功させて、上司や同僚から「よくやったね!」と言われたら自信になるでしょう。

これらの言葉は、次のやる気にもなりますよね。一生懸命仕事に取り組んでいたからこそ得られる楽しさです。

声だけではありません。「役職が上がる」「給与が上がる」など、仕事の成果に対する評価もうれしいものです。

お金が増えること

人が働く理由の最も大きなことの一つに「お金」があります。給与やボーナスが増えるのは単純にうれしいです。もし、あなたが個人事業主や経営者なら、売り上げが上がって、利益が上がる喜びは誰よりもご存じのはずです。

お金とは、エネルギーの交換手段です。これまで仕事に注いできたエネルギーが認められたからこそ、お金が増えたのです。

新しい出会い

「新しい出会い」も、仕事の楽しみの一つです。

例えば、新しいお客さんや新しいビジネスパートナーなど、プライベートを過ごしているだけではなかなか出会わない人たちとの出会いが、仕事にはあります。異なる会社、異なる業界の人たちの考え方や価値観は刺激になることも多く、多様な価値観に触れることで、「なるほど!そういう考え方もあるのか!」のように、新しい知見が広がります。新しい知見は人生を豊かにしてくれます。

サポートしてくれる仲間との信頼関係

職場の仲間との信頼関係もうれしいものです。

例えば、これをお読みの方の中には、仕事上のトラブルや忙しさ、人間関係などによって、心身ともに追い込まれた経験をお持ちの方もいるでしょう。

つらい状況のとき、職場の先輩や同僚がサポートしてくれたり、気晴らしのために一緒に飲みに行ったりしてくれると、仲間の存在に「ありがたいな」と思います。

ドラマチックな展開

ちょっと脇道にそれるかもしれませんが、「意味ある偶然」も、仕事の面白さの一つに挙げておきたいと思います。「意味ある偶然」とはシンクロニシティとも呼ばれ、心理学者のカール・ユングが提唱した考え方です。

たとえば、「仕事上のトラブルで八方ふさがりのときに、偶然出会った人が問題を解決する専門家だった」「新しいプロジェクトを始めようと準備をしていたら、必要なリソースが自然に集まった」など、一般的には偶然としか思えないのだけれども、まるで、何かに導かれたように、さまざまな偶然が一致することがあります。経営者のような立場の人は、このような「意味ある偶然」を大切にしている人も多いです。

「意味ある偶然」は本当に楽しいし、感謝したくなる瞬間です。

達成感

仕事で最もうれしく、楽しいのは、達成感を味わったときかもしれません。

仕事では、大なり小なり、思い通りにならない大変な思いをすることがあります。身の丈を超えていて、「これを解決するのは無理かも……」と思うこともあります。

筆者は、今でこそ人材育成や職場改善の仕事をしていますが、もともと、プログラミングが大好きなプログラマーでした。けれども、職場の人間関係で大きなストレスを抱えました。どんなに好きな仕事でも、ストレスが大きいとやる気や楽しさはなくなるのですよね。

けれども、「このままでは嫌だ」と思い、まずは自分の周りの環境から変えていこうと、コミュニケーションを勉強。そして、今があるのですが、少しずつ同僚や部下が変わっていくのを実感しながら得た達成感は本当に大きかったです。そして、職場自体は同じ環境なのに、仕事を楽しく感じている自分がいました。「やりきった」という感じがしました

「仕事が楽しい」と得られる5つの喜び

「仕事が楽しい」と感じられるようになると、次のような喜びが得られます。

気づきやひらめきが起こりやすくなる

「仕事が楽しい」と感じられるようになると、心や体が軽やかになります。普段見聞きするものに興味が沸くようになるので、今まで何も感じなかったことに、新しい気づきやひらめきを抱くようになります。

思考が柔軟になり前向きになる

今まで何も感じなかったことに新しい気づきやひらめきが起きるのは、「今までと視点が変わった」からです。視点が変わることによって、ネガティブな(ように見える)出来事の中に、ポジティブな意味を見出す力が自然と付くようになります。

やる気が出てくる

思考は感情を育みます。物事にポジティブな意味づけをするようになると、それに反応して、自然とやる気が出てきます。やる気とは、無理やり「出す」ものではありません。前向きな状態になると、自然と「出てくる」ものなのです。

困難を乗り越える力が付く

物事にポジティブな意味や価値を見出し、やる気が出てくると、さまざまな困難を乗り越える力が付きます。困難を乗り越えた成功体験は自信となり、自己肯定感につながります。そして、困難だと思っていた出来事が人生の転機になったり、新しい可能性に結びついたりするのです。

毎日が、人生が楽しくなる

仕事は、毎日の営みです。仕事が楽しいと感じられるようになると、毎日が楽しく感じるようになります。もちろん、仕事をしているとさまざまな困難や厳しさ、嫌な事、失敗を経験します。けれども、その先には、「乗り越えられた先にある楽しさ」や「自信」が待っていることが分かるようになるので、人生が楽しく感じられるようになるのです。

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投稿者プロフィール

竹内義晴
竹内義晴NPO法人しごとのみらい理事長
1971年生まれ。新潟県妙高市出身。自動車会社勤務、プログラマーを経て、現在はNPO法人しごとのみらいを運営しながら、東京のIT企業サイボウズ株式会社でも働く複業家。「複業」「多拠点労働」「テレワーク」を実践している。専門は「コミュニケーション」と「チームワーク」。ITと人の心理に詳しいという異色の経歴を持つ。しごとのみらいでは「もっと『楽しく!』しごとをしよう」をテーマに、職場の人間関係やストレスを改善し、企業の生産性と労働者の幸福感を高めるための企業研修や講演、個人相談を行っている。サイボウズではチームワークあふれる会社を創るためのメソッド開発を行うほか、企業広報やブランディングに携わっている。趣味は仕事とドライブ。

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