トライアングルコミュニケーションモデルをコンテンツ作成に使う

トライアングルコミュニケーションモデル考案者の竹内義晴です。

私は、文章やセミナー資料等のコンテンツを作る機会が多いですが、コンテンツの構成を考える際、TCMを使うことにしています。

TCMを使う前はいきなり文章やパワーポイントに向かっていました。「こんな感じかな?」と大体の思いを描いて作り始めるものの、伝えたいことが途中からずれてきてしまったり、考えが発散してまとまらず、時間だけが過ぎることがよくありました。

TCMは「なぜ、それをするのか」(目的)と、「具体的にどうするのか」(手段)を明確に分けて考えます。文章や資料を作る前にTCMを書くことによって、そのコンテンツがもつ目的が明確になり、内容的にぶれたり、途中でまよったりすることがなくなりました。また、具体的な内容がキーワードとしてチャートの中に描かれているので、そのキーワードを頼りに文章や資料をブレイクダウンすることができるようになり、時間短縮につながっています。

また、今までの文章や資料は「伝える側の視点」であることがほとんどでした。その結果、独りよがりなものになることも少なくありませんでした。

しかし、TCMを使うようになってから、「これを読む(知る)人が何に困っているのか」「困っていることによって、何を失っているのか」「具体的には何を困っているのか」を明確にし、相手の課題を焦点化できるので、評価の高いコンテンツを作りこむことが可能になりました。

さらに、課題を焦点化することによって、「これを読む(知る)人は、どうなったらハッピーなのか」「ハッピーになることによって、何が得られるのか」「具体的に必要な内容は何か」を明確にでき、確かなソリューション(解決策)を提示することができるようになったと自負しています。

このTCMは、ITmediaエンタープライズ「人生はサーフィンのように」という連載の、「“悩み”が作るクリエイティブな時間」という記事を書く際、構成を考えるために描いたTCMです。ページの左側に「読者が困っているであろう現状の課題」、ページの右側に「読者がこうなったらハッピーであろう将来イメージ」をまとめました。TCMを書き、最初に全体の"アタリ"をつけることで、4000文字近い原稿をスムーズに書くことができました。

TCMを使うようになってから、いきなり文章や資料に向かうよりも、事前に全体像が明確になるので、今まで苦痛だったコンテンツづくりが楽しくなりました。

 

投稿者プロフィール

竹内義晴
竹内義晴NPO法人しごとのみらい理事長
1971年生まれ。新潟県妙高市出身。自動車会社勤務、プログラマーを経て、現在はNPO法人しごとのみらいを運営しながら、東京のIT企業サイボウズ株式会社でも働く複業家。「複業」「多拠点労働」「テレワーク」を実践している。専門は「コミュニケーション」と「チームワーク」。ITと人の心理に詳しいという異色の経歴を持つ。しごとのみらいでは「もっと『楽しく!』しごとをしよう」をテーマに、職場の人間関係やストレスを改善し、企業の生産性と労働者の幸福感を高めるための企業研修や講演、個人相談を行っている。サイボウズではチームワークあふれる会社を創るためのメソッド開発を行うほか、企業広報やブランディングに携わっている。趣味は仕事とドライブ。

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