福島県土木部にて講演―世代間ギャップを解消するコミュニケーション術

2018年7月11日、郡⼭労働福祉会館大ホールで行われた、「地域に⽣きる建設企業経営講座」の講演に登壇させていただきました。

テーマは、「世代間ギャップを解消するコミュニケーション術〜⼈材定着は建設業界の喫緊の課題!世代間ギャップの要因を理解し、スキルを学び育成・定着を図る〜」です。

近年、建設業では人材の定着(離職率の高さ)が喫緊の課題なのだそうです。

帝国データバンクが2018年7月に発表した、「人手不足倒産」の動向調査(2018年上半期)によれば、2018年上半期(1~6月)の「人手不足倒産」は70件発生し、負債総額は106億7700万円となったといいます。件数は3年連続で前年同期を上回り、2013年1月の調査開始以降、半期ベースで最多となり、年間合計で初めて100件を超えた2017年(106件)を上回る勢いとなっているそうです。

5 年半累計の最多は「建設業」で、次に多い「サービス業」と合わせると、この 2 業種で全体の 62.8%を占めています。

これらの状況を踏まえ、その要因の一つである「世代間ギャップによるコミュニケーションの不足」を解決しようと、講演のご依頼をいただきました。

当日は、80名近い企業の経営者や管理職層の方にお集まりいただきました。次のテーマでお話させていただきました。

  • 人材が定着しないと起こる会社の未来
  • なぜ、世代間ギャップが起きるのか?
  • 「当たり前」の違いを理解しよう―各世代の特徴
  • 世代間ギャップを解決するコミュニケーション術

ここで、講演の内容を簡単にお話しましょう。

世代間ギャップを解消するコミュニケーション術

人材が定着しないと起こる会社の未来

少子高齢化の影響で、日本の人口は2005を境に減少に転じました。ただでさえ、労働力人口は減り続けるのに、それに加えて人材が定着しない場合、今後、企業は人材不足で経営が危うくなる恐れがあります。

言い方を変えると、人材の定着こそが、会社を維持・発展させる喫緊の課題です。

なぜ、世代間ギャップが起きるのか?

では、なぜ人材が定着しないのでしょうか。その理由の一つに、「世代間ギャップ」があります。せっかく、理想や期待を抱いて会社に入ってくれた社員が、コミュニケーションの問題で会社を去ってしまうのは、とてもさみしいですよね。

例えば、ひと昔前の社員教育では「見て覚える」というのがありました。もちろん、それも大切かもしれませんが、早く技術を習得するためには、他の方法もあるでしょうし、「そんなことは、見て覚えろ。俺たちの時代はそうだったんだ」とぶっきらぼうに言っては、ますます、世代間ギャップは広がってしまうでしょう。

なぜ、世代間ギャップが広がってしまうのでしょうか。それば、世代によって「当たり前」が違うからです。ここで言う「当たり前」とは、「価値観」や、ものの「捉え方」のことです。

世代によって「当たり前」が違う。だから、世代間ギャップが生じてしまうわけです。

「当たり前」の違いを理解しよう―各世代の特徴

世代間ギャップを解消するために必要なのは、大きく分けると2つあります。各世代の特徴を「知る」ことと、「関わり方」を変えること。

世代の特徴を「知る」上で、一つの方法と上げられるのが「団塊の世代」「バブル世代」「ゆとり世代」といった、世代クラスターを用いること。「なぜ、彼らはそのような考え方をするのか」が分かります。

世代間ギャップを解決するコミュニケーション術

世代間ギャップを解消する「関わり方」としては、「分かりやすく伝える」「傾聴や質問をして、相手を理解する」など、いくつかのスキルがあります。また、ちょっとした言葉の使い方で、内的な動機づけが起こるような言葉遣いをお伝えしました。

講演を終えて

講演を終えて、ご担当いただいた方から伺った話では、受講者アンケートで「会社に戻って早速実践したい」「大変有意義であった」と、多くの反響をいただいたそうです。

何かしらの形で、実践していただけたらうれしいです。