仕事に「本当に役立つ能力」とは?―コミュニケーション講座開発ミーティング(1)

2017年3月30日、しごとのみらいでは、「コミュニケーション講座開発ミーティング」を行いました。

「コミュニケーション講座開発ミーティング」とは、「職場で本当に生かせるコミュニケーション講座を作りたい」という会員の声を元に、取り組み始めたプロジェクトです。

今回の参加者は、「働きやすい職場の作り方を体系化したい」「これまで学んだスキルを仕事に活かしたい」「これまでの実務経験を困っている人のために役立てたい」などの思いを持った、しごとのみらいの会員8名でした。

コミュニケーション講座開発における現状の課題認識

世の中には、コーチングやNLPをはじめ、さまざまなコミュニケーションスキルが体系化されています。それぞれの講座にはとても価値があり、それらを学んでいる方も数多くいます。

一方、これまでコミュニケーション講座を学んだ方や、これから学びたいと思っている方から、次のような声を聴くことが多くありました。

  • 多くのスキルを学んだが、どのように職場で生かしたらいいのか分からない
  • 仕事で使うシーンが少ない(あるいは、ほとんどない)スキルがある
  • 講座が高額で参加しにくい

これらの課題を解決するためには、次のような取り組みが必要だと考えました。

  • スキルのトレーニングに加えて、職場で「実際に生かす」までを体系化したプログラムがあるといいのではないか
  • 仕事で使うことが多く、効果的だと認められるスキルを絞れば、身に着けやすくなるのではないか。また、参加しやすい価格になるのではないか

そこで、「職場で本当に生かせるコミュニケーション講座を作ろう!」という目的で、本プロジェクトに取り組むことになりました。

ビジョン:しごとのみらいが目指すコミュニケーション講座

最初に、しごとのみらいが目指すコミュニケーション講座のビジョンを考えました。協議の結果、次をビジョンとすることになりました。

「いい気分ではたらく人を増やす」

職場におけるコミュニケーションの課題認識

次に、参加メンバーが日ごろ抱いている、「職場における課題認識」を出し合いました。すると、「昔と今を比べると、なんとなく窮屈に感じることが増えたよね」という意見が出されました。そこで、昔と今の職場の違いについて、ざっくばらんに話し合いました。

その結果、コミュニケーションに限らず、次のような意見が出されました。

  • 昔は、いろんなことを話す(いい意味での「ムダ話」)時間があった。今は、忙しくて話す機会が減っている
  • 昔は、上司が身近にいて相談できた。今は、上司が身近にいない。忙しそう
  • 昔は、電話のやりとりなどからまわりの人が何をしていることや置かれている状況が分かった。今は、メールでのやりとりが中心で、誰が何をしているのかが見えにくくなっている
  • 昔に比べると、今はコンプライアンスのための資料作りや間接業務など、やらなければならないことが増えた。それらに対する意義を感じられないことも多い
  • 昔は、「昇進したい」「店長になりたい」など、職位が上がることを目標にする人も多かったが、今は「あんな管理職になりたい」のような、ロールモデルとなるような先輩がいない。そのためか、管理職をやりたがらない若手社員が多い

これらを解決するために、現代は「積極的に話しかけましょう」「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)をしましょう」のように、さまざまな取り組みが行われていますが、「ただでさえやることがたくさんあるのに、なんか、大変だよね」という意見にまとまりました。

職場の課題を解決するために必要な能力とは?

続いて、「業務的な問題」「世代による物事の捉え方の課題」「ロールモデルの不在」「見えないことによる人間関係の希薄化」など、さまざまな課題がある中で、これらを解決するためにはどうすればいいのかを考えました。

課題が多岐に渡るこれらの問題を解決するためには、どんな方法があるのか……すると、参加者の一人がこう言いました。

「さまざまな問題を解決するためには、根っこの部分を解決する必要があるのではないか」

「根っこの部分」とは、仕事に対する価値観や、それぞれの人のアイデンティティ(自己認識)など、一人一人の「心のありよう」とでもいいましょうか。これらを変化させることによって、さまざまな問題解決につながっていくのではないかという意見です。

そこで、「心のありよう」を起点に、「何が変化すればいいのか」を考えてみたところ、私たちが働く環境には、個々人の「アイデンティティ」「信念・価値観」「動機づけ(モチベーション)」「スキル」「行動」などがあり、それによって「職場」という環境が変化していくのではないか……というアイデアが生まれました。

どうやら、私たちが実現したい講座というのは、単に「スキルを身に着ければ〇〇になる」という種類のものではなく、一人一人の働く意義や、自己認識、そういったものから生じるモチベーション、その結果、コミュニケーション能力を身に着けることになり、行動が生まれ、職場という環境が変化していくのだという体系が見えてきました。

つまり、「自分が満たされる」ことで、「まわりが満たされる」というイメージです。

講座開発に向けて、今後考えていくこと

続けて、「職場で本当に生かせるコミュニケーション講座」を作る上で、何から(あるいは、どこから)着手するかを検討しました。

参加メンバーそれぞれが興味あるところを聞いたところ、次回は次のことに取り組むことにしました。

  1. 職場の中で何かしらの「悩み」や「うまくいかない」を抱えている、あるいは、そもそも、課題だと認識していない人たちに対して、どのように気付きを与え、行動につなげるようにするか(自己認識や価値観をどう変化させるか)
  2. 最初の一歩を始めるために、どんな能力や行動が必要なのか

まとめ

しごとのみらいでは、今後も定期的にコミュニケーション講座開発ミーティングを行っていきます。もし、「職場で本当に生かせるコミュニケーション能力とは何か?」という課題認識や興味をお持ちでしたら、一緒に参加しませんか?

職場を離れて、同じ課題認識や目的意識を持っている人たちと話すだけでも、きっと、さまざまな気付きや学びを得られることでしょう。

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著者

竹内義晴
竹内義晴NPO法人しごとのみらい理事長
1971年生まれ。新潟県妙高市出身。自動車会社勤務、プログラマーを経て、現在はNPO法人しごとのみらいを運営しながら、東京のIT企業サイボウズ株式会社でも働く複業家。「複業」「多拠点労働」「テレワーク」を実践している。専門は「コミュニケーション」と「チームワーク」。ITと人の心理に詳しいという異色の経歴を持つ。しごとのみらいでは「もっと『楽しく!』しごとをしよう」をテーマに、職場の人間関係やストレスを改善し、企業の生産性と労働者の幸福感を高めるための企業研修や講演、個人相談を行っている。サイボウズではチームワークあふれる会社を創るためのメソッド開発を行うほか、企業広報やブランディングに携わっている。趣味は仕事とドライブ。

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