「伝える」を「伝わる」に変えるコミュニケーション2つのポイント

上司への報告、同僚への依頼、部下への指示など、仕事では、さまざまな「伝える」シーンがありますよね。

一方、こちらとしては一生懸命「いったつもり」「伝えたつもり」なのに、職場の同僚からは「分かりにくい」といわれることもあるかもしれません。

そこで、「伝える」を「伝わる」に変えるポイントについてお話ししましょう。

コミュニケーションの基本的な考え方

まず、コミュニケーションの基本的な考え方です。

筆者はコミュニケーションの研修やトレーニングを行っています。受講者の方々に、「なぜ、コミュニケーションを勉強したいのですか?」という問いに、「自分の考えを分かりやすく伝えたい」と答える方がたくさんいます。

もちろん、「結論から先にいう」「大切なことを大きな声でゆっくりと話す」「ジェスチャーを使う」など、分かりやすく伝える方法はあります。

けれども、「伝える」は、相手が分かっていようがいまいが、伝えることだけで目的を果たすことができます。しかし、コミュニケーションでは、相手に「伝わる」ことで、初めて意味を成すので、一方通行では目的を果たすことができません。つまり、コミュニケーションは「双方向が大切」ということですね。

 

「伝える」を「伝わる」に変える2つのポイント

「伝える」と「伝わる」の違いをひと言でいえば、「伝える」は一方向なのに対し、「伝わる」は双方向であると言えます。双方向のコミュニケーションにするポイントはたった2つ。「伝える」と「受け取る」です。それぞれについて見ていきましょう。

「伝える」―分かりやすく伝える

1つ目のポイントは、「分かりやすく伝える」ことです。

伝え方のテクニックとしては、「相手が分かる言葉を使う」「相手の立場になる」「感情を込める」「時系列で話す」「たとえ話を使う」など、さまざまな方法がありますね。

一方、特にビジネスシーンで、最も意識するポイントがあるとしたら、「結論から伝える」ことと、「論理的に伝える」ことと言ってもいいでしょう。

例えば、プロジェクトの進捗報告を上司にする際、「プロジェクトの進捗についてですが、1週間前に機材の発注ミスがあることが判明しまして、スケジュールが2日ほどストップしてしまいました。至急、機材の発注をやりなおし、タスクの優先順位の変更と、人員の見直しをした結果、現在は1日遅れで進捗しています」のような、起こったことを時系列に報告するプロセス型では、「で、結論は遅れてるの?進んでるの?」と言われかねません。

一方、結論から伝えるようにすると、「プロジェクトの進捗ですが、1日遅れで進捗しています。なぜなら……」のように説明した方が、状況がパッと把握しやすいでしょう。

「結論から伝える」については、わかりやすく伝えるたった1つの話し方のコツを、「論理的に伝える」については、簡単!わかりやすく伝える論理的な話し方2つも合わせてご覧ください。

「受け取る」―相手の反応を観察する

2つ目のポイントは、「相手の反応を観察する」ことです。

どんなに分かりやすく伝えたつもりでも、相手に「伝わった」かどうかは分かりません。「伝わった」かどうかは、相手の反応を観察することによって知ることができます。

例えば、先ほどの、プロジェクトの進捗報告を上司にする例では、プロセス型の報告に、上司はカリカリした表情をしているかもしれません。これは、表情や雰囲気で読み取ることができます。

反応を観察するとは、相手のことをよく見て、聞いて、感じること。納得していれば、分かったような表情をするでしょうし、言葉も「なるほど!」「分かりました」のようになるでしょう。相手は「分かった」と言っていても、なんとなく「伝わっていないような気がする」というのも、大切な情報です。

つまり、コミュニケーションでは、「何を伝えたか」ではなく、相手の反応に意味があるのです。

観察については、コミュニケーションの基本「観察力」の鍛え方も合わせてご覧ください。

「伝わっていないな」と思ったら?

とはいえ、「伝わっていない」というのは、よくあることです。

「伝わっていないな」と思ったら、別の言葉での説明を試みたり、「伝わっていますか?」のように確認したりするといいでしょう。

“伝える”の主語は「私」、”伝わる”の主語は「あなた」

コミュニケーションの基本について見てきました。

日常生活の中では、「いったつもり」「伝えたつもり」はよくあるものです。しかし、「伝えた」だけでは、一方通行なので、相手に伝わった保証はありません。コミュニケーションの基本は「双方向」です。

「伝える」の主語は「私」、「伝わる」の主語は「あなた」です。たった一文字しか違わないのに、この違いは大きいですよね。

せっかく伝えるなら、主語は「あなた」にして、双方向のコミュニケーションにしていきたいものですね。

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著者

竹内義晴
竹内義晴NPO法人しごとのみらい理事長
1971年生まれ。新潟県妙高市出身。自動車会社勤務、プログラマーを経て、現在はNPO法人しごとのみらいを運営しながら、東京のIT企業サイボウズ株式会社でも働く複業家。「複業」「多拠点労働」「テレワーク」を実践している。専門は「コミュニケーション」と「チームワーク」。ITと人の心理に詳しいという異色の経歴を持つ。しごとのみらいでは「もっと『楽しく!』しごとをしよう」をテーマに、職場の人間関係やストレスを改善し、企業の生産性と労働者の幸福感を高めるための企業研修や講演、個人相談を行っている。サイボウズではチームワークあふれる会社を創るためのメソッド開発を行うほか、企業広報やブランディングに携わっている。趣味は仕事とドライブ。

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