「現代版たばこ部屋」ではたらきやすい職場をつくる ──JT様コンプライアンストップセミナー

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 しごとのみらいの竹内義晴です。

 2020年1月29日、日本たばこ産業株式会社 コンプライアンス統括室様(以下、JT様)のお声がけで、コンプライアンストップセミナー『「風通しがいい会社」ならハラスメントは怖くない──世代間による意識の違いとコミュニケーション』に登壇させていただきました。

 近年、多くの企業でハラスメントに関する関心が高まっています。JT様でも「役員が保有しておくべきコンプライアンス意識およびリスクセンスの浸透」を目的に、コンプライアンスに関する役員セミナーを定期的に開催されているそうです。

 管理職を対象としたハラスメントやコミュニケーションのセミナーは、これまでも何度か開催されたそうですが、役員セミナーで同テーマを扱うのは今回が初めて。

 一般的に「ハラスメント」といえば、パワハラやセクハラに代表されるような、上司と部下の間で起こる問題の言動を指します。そこで、「〇〇はハラスメントになってしまいますから、気を付けなければいけません」といった内容のセミナーを開催する企業も少なくありません。

 一方、ハラスメントは、「問題とは思っていない」「気づいていない」がゆえに起こってしまうことも多いもの。「問題だ」という認識がない中で、対策を行う難しさもあります。また、ハラスメントを恐れるがあまりに「若手にどのように接すればいいのか分からない」といった悩みを抱えるベテラン層も少なくありません。

 私の意見では、「そもそも、コミュニケーションが円滑で風通しがいい会社なら、ハラスメントは怖くない」と思っています。なぜなら、ハラスメントは広義の「コミュニケーションのギャップ」であり、お互いの人間関係がよく、安心・安全で、楽しくはたらける会社なら、ハラスメントが入り込む余地がないからです。

 そこで、今回のコンプライアンストップセミナーでは、

  • 対症療法では解決しない──ハラスメントが起こる本当の理由
  • 世代間にみるコミュニケーションギャップ
  • 風通しのよい職場をつくる最新事例と方法
  • 先行きが不透明な時代を「楽しむ」トップの役割とメッセージ

といったテーマでお話させていただきました。

「会社をよくしていきたい」──経営層の意識を実感

 今回のセミナーには、寺畠正道代表取締役社長をはじめ、取締役、執行役員、監査役など経営層のみなさまがご参加くださいました。

JT様コンプライアンストップセミナー

 このような仕事をしておりますと、社員のみなさんは熱心に取り組んでくださる一方で、経営層のみなさんは最初の挨拶だけで、多忙を理由に退席……といった企業に伺うことも少なくありません。

それだけに、JT様では「会社をよくしていきたい」という、経営層のみなさまの意識を感じました。

「現代版たばこ部屋」の必要性

 今回のセミナーでは、「雑談する機会」の大切さについてお話させていただきました。

 ひと昔前の、まだ多くの人がたばこを吸っていた時代、ビジネスパーソンは「たばこ部屋」で雑談する機会がありました。「大切なことはたばこ部屋で決まる」といった話もまことしやかにささやかれていましたが、それだけ「上司部下関係なく、リラックスして話ができる場」があったとも言えます。

 一方、近年はたばこを吸う人は少なくなっています。働き方改革が叫ばれ、さらなる効率化が求められる中、雑談する機会はあまりありません。あからさまに雑談していると「雑談していないで仕事をしろ」と言われます。

その割には「コミュニケーションが悪い」という課題を抱えている企業は少なくありません。ひょっとしたら、多くの人が無意識に「雑談する機会」を求めているのかもしれません。

その証拠に、近年は1on1ミーティング(上司と部下が1対1で30分ほど、定期的に話をすること)が注目を集めています。また「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)よりもザッソウ(雑談・相談)」とも言われ、改めて、雑談の重要性が評価されはじめています。

 「たばこを吸う/吸わない」には、さまざまな意見があるかもしれません。けれども、かつて、たばこ部屋で行われていたような「気軽な雑談」は、もっとあってもいいのではないでしょうか。安心・安全の場で話ができる。悩みを聞いてもらえる。リラックスしなからざっくばらんにアイデアを出し合うことができる……これらが、組織に与える影響ははかりしれません。

つまり、効率化が求められている今の企業には、たばこを吸っていなくても雑談できる「現代版たばこ部屋」のような場が必要なのです。

セミナー終了後にいただいた感想

セミナー終了後、次のようなご意見、ご感想をいただきました。

  • コミュニケーション、心理的安全性等、これまでに自分もこの組織に導入しようとしてきたことをエンドースしていただいた気がして心強く感じました。
  • 組織で仕事をしていく以上、仕事の問題も課題も機会獲得も効率向上も、あらゆる局面で根底にコミュニケーションの良し悪しがあると思っています。それが理論だけじゃなくて関心や共感としてマネジメントの人々の心に根付いていくと良いと思っています。
  • 答えがない時代にリーダー1人ではなく、みんなで相談して前に進んでいくことが重要、という指摘もその通りと感じました。
  • 「ギャップを感じるのは『理想』があるから」というフレーズが印象に残った。世代間ギャップのみならず、適用範囲が広い、戒めの言葉として持ち帰りたい。「仕事を楽しくする」というコンセプトは100%合意。常に心がけているつもりだが、自チーム内にきちんと浸透させきれているか点検が必要と感じた。柔らかいテーマ、柔らかい語りで良いセミナーだった。
  • 「アメーバコミュニケーション」について、考え方や取り組みの方向性について確認ができた。たばこ部屋の概念を拡大したコミュニケーションスペースなどをさらに活用して、世代間のコミュニケーションや価値観の共有に繋げたい。
  • 内容自体に大きな新規性はないが(過去に1度は学んでいる)、まとめ方が良く、Good な refresher になった。「ザッソウ」を広めていきたいと思った。こうした内容は役員レベルだけでなく、全レベルにしてもらえばもっと全体で良くなるのではないでしょうか?
  • 日頃から感じていることをとても分かり易く解説していただき、とても興味深く拝聴させていただきました。現代版”たばこ部屋”、今もこれからもやっていきますが、その実効性に改めて自信が持てた気がします。ありがとうございました。

しごとのみらいでは、これからも「もっと『楽しく!』しごとをしよう。」をテーマに、はたらきやすい会社をつくるための支援を行ってまいります。

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著者

竹内義晴
竹内義晴NPO法人しごとのみらい理事長
1971年生まれ。新潟県妙高市出身。自動車会社勤務、プログラマーを経て、現在はNPO法人しごとのみらいを運営しながら、東京のIT企業サイボウズ株式会社でも働く複業家。「複業」「多拠点労働」「テレワーク」を実践している。専門は「コミュニケーション」と「チームワーク」。ITと人の心理に詳しいという異色の経歴を持つ。しごとのみらいでは「もっと『楽しく!』しごとをしよう」をテーマに、職場の人間関係やストレスを改善し、企業の生産性と労働者の幸福感を高めるための企業研修や講演、個人相談を行っている。サイボウズではチームワークあふれる会社を創るためのメソッド開発を行うほか、企業広報やブランディングに携わっている。趣味は仕事とドライブ。

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