価値あるコーチング研修にするために大切なたった1つのこと

管理職やリーダー層に必要なコミュニケーションスキルの1つにコーチングがあります。コーチングに関する研修も多く開催されているようです。

これをお読みのあなたも、会社の研修で受けたことがあるかもしれません。コーチングの研修は身についたでしょうか。頭では分かったけれど、なかなか使いこなせないというのが実情かもしれません。

コーチング研修でもっとも大切なのは、どのようなことなのでしょうか。

コーチング研修で大切なのは「シンプルさ」

会社のコーチングの研修でもっとも大切なことがあります。それは、「シンプルさ」です。

なぜなら、たくさんの知識を一度に学んでも、職場の中で使いこなすことがなかなかできないからです。

たとえば、コーチングのスキルを提供しているある団体では「タイプわけ」というスキルを伝えています。人をいくつかのタイプに分けて、タイプ別に接し方を変えると、相手とよいよい関係が作れるというものです。

考え方としては非常に興味深いのですが、実際のところ、相手を見た瞬間に「この人は○○タイプだな」と判断するのは非常に難しく、かつ、それに合わせて言葉の使い方や接し方を変化させるのは非常に複雑で、プロのコーチでも使いこなすのが容易ではありません。

しかも、会社の研修では、時間が限られています。知識としては理解できても、使いこなすことは難しいでしょう。

そこで、会社のコーチング研修でもっとも大切なことは、「シンプルさ」(または、実践のしやすさ)ということになるわけです。

プロのコーチも「シンプルさ」を大切にしている

実際、プロのコーチも、「複雑なことを使いこなす」ことよりも、「シンプルなことを丁寧にやる」ことを大切にしている人が多いです。

たとえば、コミュニケーションUでは、コーチングに必要なスキルを紹介していますが、プロのコーチほど、「観察する」「合わせる」「相手の話を聞く」「問いかける」のような基本スキルを大切にしています。

相手をタイプで分けるよりも、一人ひとりに合わせたほうが実践しやすい上に、相手に寄り添ったコミュニケーションをとることができます。

シンプルなことを繰り返し実践しよう

人の意識は同時に複数のことを意識できません。日常、職場の中で実践するためには、多くの複雑な知識よりも、シンプルなことを繰り返し実践することが大切です。

投稿者プロフィール

竹内義晴
竹内義晴NPO法人しごとのみらい理事長
1971年生まれ。新潟県妙高市出身。自動車会社勤務、プログラマーを経て、現在はNPO法人しごとのみらいを運営しながら、東京のIT企業サイボウズ株式会社でも働く複業家。「複業」「多拠点労働」「テレワーク」を実践している。専門は「コミュニケーション」と「チームワーク」。ITと人の心理に詳しいという異色の経歴を持つ。しごとのみらいでは「もっと『楽しく!』しごとをしよう」をテーマに、職場の人間関係やストレスを改善し、企業の生産性と労働者の幸福感を高めるための企業研修や講演、個人相談を行っている。サイボウズではチームワークあふれる会社を創るためのメソッド開発を行うほか、企業広報やブランディングに携わっている。趣味は仕事とドライブ。

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