コミュニケーションとは?

コミュニケーションは、私たちが周りの人と関わっていく中でもっとも大切なものですよね。

一方、「コミュニケーションとは何だろう?」と改めて考えてみると、その範囲は広く、「よくわからない」というのが、一般的かもしれません。

筆者は企業などでコミュニケーション研修の講師をしているのですが、「あなたにとってコミュニケーションとは何でしょうか」という質問をすると、「お互いが分かり合うこと」「自分の気持ちを上手に伝えること」「共感し合うこと」など、その意見はさまざまです。

そこで、この記事では「コミュニケーションとは?」を改めて考え、コミュニケーションに必要な能力と、どうすればコミュニケーションが上手になるのかについて見ていきましょう。

コミュニケーションとは?

まず、コミュニケーションの意味を辞書で調べてみました。

1 社会生活を営む人間が互いに意思や感情、思考を伝達し合うこと。言語・文字・身振りなどを媒介として行われる。「―をもつ」「―の欠如」

2 動物どうしの間で行われる、身振りや音声などによる情報伝達。

[補説]「コミュニケーション」は、情報の伝達、連絡、通信の意だけではなく、意思の疎通、心の通い合いという意でも使われる。「親子の―を取る」は親が子に一方的に話すのではなく、親子が互いに理解し合うことであろうし、「夫婦の―がない」という場合は、会話が成り立たない、気持ちが通わない関係をいうのであろう。

出典:コミュニケーション | goo辞書

コミュニケーションとは、意思や感情、思考などの「情報伝達である」と言えそうです。

実際、コミュニケーションはよく、キャッチボールに例えられます。思ったことや、感じたことを、言葉や文字などの「言語」、表情や身振りなどの「非言語」を使って、相手に投げたり、相手から受け取ったりすることによって交換し、お互いを分かりあうことだといえるでしょう。

コミュニケーションで使う2つの伝達手段

コミュニケーションでは、次の2つの手段で情報を交換しています。

言葉(言語)

言葉そのものです。私たちは思ったことや感じたことを、言葉や文字で表現しています。相手と分かりあう言語コミュニケーション3つの種類と機能も参考にしてください。

非言語

表情や声のトーン、ジェスチャーなどです。私たちは思ったことや感じたことを身振り手振りで表現しています。非言語コミュニケーションの重要性と5つの種類も参考にしてください。

コミュニケーションでやり取りする情報

コミュニケーションでは、次のような情報をやりとりしています。

意見、意思、考え、価値観

頭の中で考えたり、思ったりした意見。大切にしている価値観

知識

学習や成長に必要な情報

感情

うれしさ、楽しさ、興味、不安、悲しみ、怒りなどの感情

コミュニケーションに必要な能力

言語や非言語を使って情報をやり取りするために、次のような能力を使います。

コミュニケーションの上達とスキル・テクニック

「コミュニケーションが上手」というと、「あの人は説明が上手い」「あの人は相手の懐に入るのが上手い」のように、話術や関わり方が上手い人のような印象があります。そのため、「伝え方」や「テクニック」を身に着ければ、コミュニケーション上手になれるような気がします。そういう本もたくさん出ていますしね。

コミュニケーション上手になるためには、「やり方」と「あり方」が大切です。

「やり方」とは、「こうすれば上手くできますよ」という「スキルやテクニック」のことです。「あり方」とは、「気持ちのもちよう」のことです。この両方が合わさったとき、相手といい関係が作れます。

例えば、「彼女(彼氏)を口説くテクニック」みたいな情報はたくさんありますが、「テクニック」で口説かれても、なんとなく気分が悪いですよね。だからといって、ブスッとした表情で、「あなたが好きだ」と言われるのも、なんとなく気分が乗りません。

「〇〇さんといい関係を作りたいな」「そのためにはどうすればいいのだろう?」「そうか、こうすればいいのだな」のように、相手のことを思う「気持ち(あり方)」と、そのための「方法(あり方)」が合わさったときに、はじめて、相手といい関係が作れるわけです。どんなときでもそうです。

逆に、どんなに優れたスキルやテクニックでも、独りよがりでは嫌われてしまいます。

つまり、コミュニケーションの効果は……

コミュニケーションの効果 = 「やり方」(スキル・テクニック) × 「あり方」(気持ちのありよう)

と言うことができます。

どうすれば、コミュニケーションが上手になれるのか

「コミュ障」という言葉があるように、「私はコミュニケーション力が低い」と感じている人は少なくないようです。

一方、全ての人が生まれた後に言葉を身に付けたように、コミュニケーション力は生まれた後に身に付けた能力です。また、基本的なコミュニケーションスキルはそれほど難しくありません(前述の「コミュニケーションに必要な能力」の各リンクをご覧になってください)。意識的に練習すれば、誰でも身に付けることができます。

また、練習の場も、家庭生活、職場、地域社会との関わりなど、あらゆるところにあります。

自分とのコミュニケーションも大切

また、コミュニケーションというと、一般的には「対人関係」というイメージがありますが、自分とのコミュニケーションも大切です。「自分の気持ちを押し殺して……」では、あまりいい関係は築けません。

「自分は今、何を思い、何を考え、何を感じているのか?」「本当はどうしたいのか?」「行動を止めているものは何か?」……このように、コミュニケーションとは「自分との対話」も含まれる……ということを、覚えておいてくださいね。

まとめ

コミュニケーションとは?についてみてきました。

私たちにとってコミュニケーションとは、日常の営みです。「コミュニケーションの上に、すべてが成り立っている」といういい方もできるかもしれません。よりよいコミュニケーションができれば、まわりとの人間関係が良くなり、日常生活が楽しくなります。

このように、コミュニケーションとは、毎日をよりよく過ごす上で「もっとも基本となるもの」なのです。

投稿者プロフィール

竹内義晴
竹内義晴NPO法人しごとのみらい理事長
1971年生まれ。新潟県妙高市出身。自動車会社勤務、プログラマーを経て、現在はNPO法人しごとのみらいを運営しながら、東京のIT企業サイボウズ株式会社でも働く複業家。「複業」「多拠点労働」「テレワーク」を実践している。専門は「コミュニケーション」と「チームワーク」。ITと人の心理に詳しいという異色の経歴を持つ。しごとのみらいでは「もっと『楽しく!』しごとをしよう」をテーマに、職場の人間関係やストレスを改善し、企業の生産性と労働者の幸福感を高めるための企業研修や講演、個人相談を行っている。サイボウズではチームワークあふれる会社を創るためのメソッド開発を行うほか、企業広報やブランディングに携わっている。趣味は仕事とドライブ。

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